〔医薬品一般〕
Q: 内服薬で形状がゼリー状になっている医薬品は何があるか?(薬局) |
アーガメイト™ゼリー(ポリスチレンスルホン酸カルシウム:腎不全に伴う高カリウム血症),カロリール™ゼリー・ラグノス™ゼリー(ラクツロース:高アンモニア血症等),アシビル™内服ゼリー(アシクロビル:抗ウイルス薬),グラニセトロン™内服ゼリー(グラニセトロン:制吐薬),シロスレット™内服ゼリー(シロスタゾール:抗血小板薬),メニレット™ゼリー(イソソルビド:脳圧降下,利尿,緑内障,メニエール病),メドカイン™内用ゼリー(リドカイン:局所麻酔薬)等がある。 |
Q:OTC薬のしみ(肝斑)治療薬トランシーノ™(トラネキサム酸・アスコルビン酸配合剤)は,2ヶ月を超えて続けて服用しないとなっているのはなぜか?(薬局) |
臨床試験では2ヶ月の服用で十分な効果が認められており,2ヶ月以上続けて服用した場合の有効性・安全性については十分なデータが得られていない。服用中止後も肝斑が気になり,再度服用する場合は,2ヶ月以上の休薬期間を設ける。 |
Q:禁煙補助薬のニコチン製剤で,貼付剤のニコチネル™TTSとガムのニコレット™を併用することはあるか?(薬局) |
ニコチン依存度が高すぎて貼付剤だけでは満足できない時,あるいは突然の喫煙欲求や離脱症状が強く出やすい午前中,また貼付剤の副作用(不眠)に対して就寝時は貼付せず起床時に貼付して血中濃度が上昇するまでの間,ガムを併用することがある。ただし,併用療法の有効性・安全性は未確立で,ニコチンの過量に注意が必要である。 |
Q: 心身症とはどのような病気か?(一般) |
心身症(Psychosomatic disorder)は身体疾患で,その発症や経過に心理社会的な要因が密接に関係し,器質的ないし機能的障害が認められる病態である。具体的な病気には,アレルギー・呼吸器(気管支喘息,過換気症候群,睡眠時無呼吸症候群,アトピー性皮膚炎,慢性蕁麻疹),消化器(消化性潰瘍,過敏性腸症候群,機能性胃腸症,食道機能異常,慢性疼痛),内分泌(摂食障害,糖尿病),神経生理(頭痛,自律神経失調症,更年期障害,書痙,痙性斜頸),循環器(パニック障害,起立性調節障害,高血圧症,低血圧症)などがあるが,これらの病気の全てが心身症ではなく,上記に定義された条件にあてはまる症例のみが心身症に該当する。また身体症状を主症状とする精神疾患も心身症からは除外される。 |
Q: |
鼻腔あるいは副鼻腔からの分泌液(鼻水)が鼻の後ろを通過して多量に咽頭に流れてくる状態をいう。多量の後鼻漏があると,それが睡眠中に下気道に流入して気管支炎などの下気道疾患を引き起こす。また後鼻漏が咳や痰の原因ともなる。 |
Q:おしゃぶりを使うと中耳炎になりやすくなるのか?(薬局) |
おしゃぶりの使用は耳管の働きを妨げ,鼻の咽頭分泌物が中耳へ逆流して病原体が入りやすくなり,また歯並びが悪くなり耳管機能に影響する。その結果,小児の中耳炎の発症リスクが高くなる。オランダ・ユトレヒトで,0〜4歳児495名を2000〜2005年にわたり調査した結果(おしゃぶり使用者216名,未使用者260名,19名は先天的疾患で除外,平均観察期間は2.9年),急性中耳炎の発症はおしゃぶり使用者は76名(35%),未使用者は82名(32%)であった。また,急性中耳炎の再発はおしゃぶり使用者は33名(16%),未使用者は27名(11%)であった(Rovers MM et al.:Family Practice 25(4):233,2008.より)。 |
〔安全性情報等〕
Q: 透析患者の消化性潰瘍治療にオメプラゾールを用いる場合,用量調節はどうしたら良いか?(薬局) |
オメプラゾールは主に肝代謝で体内から消失するので,腎機能低下による作用増強や作用時間の延長は起こりにくく,用量の調節は必要ない。慢性透析患者を対象に,オメプラゾール20mgを1日1回経口投与して血漿中濃度を検討した試験において,血液透析による除去はほとんど認められず,透析日および非透析日で体内薬物動態に影響はなかった。また,蛋白結合率が高く透析されにくいので,透析後の追加投与も必要ない。 |
Q:1歳の子供が線香を1本くらい食べたが,大丈夫か?処置法は?(医師) |
A:
線香は,一般にタブやスギの木などの葉や樹皮,木炭を粉末にして増粘剤とし,香料(丁字,白檀,沈香など)を加えたもので,毒性は極めて低い。スギの葉粉末の線香は墓用としてごく一部で使われる。通常の誤食程度では処置は不要で,3g/kg程度でも中毒症状は現れない。大量誤食時に悪心,嘔吐,下痢,消化不良などを起こすことがあり,対症療法を行う。また,人によっては植物成分に対しアレルギーを起こす可能性がある。 |
〔保険・行政〕
Q:薬局で調剤する時,薬剤師の処方せんへの記入事項は何か?(薬局) |
A:
@調剤済の旨,当該処方せんが調剤済とならなかった場合(分割調剤等)には,備考欄に調剤年月日,調剤量および分割理由 A調剤年月日 B調剤した薬局の名称および所在地 C調剤した薬剤師の氏名(署名または記名押印) D疑義照会事項 E変更事項 |
Q:薬種商販売業者が登録販売者になるためには,受験しなければならないか?(薬局) |
A:
現に営業しているまたは過去に営業していた薬種商販売業者は登録販売者とみなされるので,資格取得のための受験は必要ない。ただし販売従事登録は必要である。 |
〔その他〕
Q:歯周病に効く分割ポリリン酸Naが入っている歯磨き粉があるらしいが,分割ポリリン酸Naとは何か?(薬局) |
A:
ポリリン酸は,リン酸が数個から数千個直鎖状に重合したリン酸ポリマー(高分子物質)で,バクテリアからほ乳類まで,あらゆる生物種の細胞内および組織内に普遍的に存在している生体高分子である。ポリリン酸(長鎖)は繊維芽細胞増殖因子(FGF)と結合してFGFを安定化させ,歯周組織の炎症抑制作用や歯周組織の再生促進作用を増強するため,歯周病治療に用いられる。また歯周病菌の抗菌作用を有するため歯磨き粉等に配合されている。ポリリン酸(短鎖)は食品添加物として幅広く使われているが,歯に付着したステイン(茶・コーヒー・タバコのやに等で着色した汚れ)の除去・沈着防止作用があり(長鎖より短鎖の方が作用大),ホワイトニング目的でも使用されている。ポリリン酸の長さは一定でなく,各々の効果が最もよく現れる長さが存在し,そのポリリン酸を分離精製したものを分割ポリリン酸という。 |
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