公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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ギラン・バレー症候群とは?(薬局)
疾病・治療法
年月 2022年6月 

ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre Syndrome:GBS)は、感染やワクチン接種等に続発して免疫異常を生じることにより起こる急性免疫性ニューロパチー(末梢神経障害)である。
(症状) 
一般的には細菌・ウイルス等による上気道感染や下痢など消化管感染があり、1~3週間後に両足に「力が入らない(筋力低下)」や「しびれる(異常感覚)」等で発症する。筋力低下は急速に上方へ進行し、足全体や腕にもおよび、歩行時につまずく、階段を昇れない(運動麻痺)に至ることがある。異常感覚は一般に運動麻痺に比べて軽度である。また、自律神経が障害されると不整脈、起立性低血圧等がみられる。顔の筋肉が麻痺する、食べ物が飲み込みにくい、声が出にくい、物が二重に見える、呼吸が苦しい等の症状が起こることもある。症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要となることもある。
(原因)
細菌やウイルス等による感染がきっかけとなって、本来は外敵から自分を守るためにある免疫システムが異常になり、自己の末梢神経を障害してしまう自己免疫疾患と考えられている。約60%の患者の血中に末梢神経の構成成分である糖脂質(特にガングリオシド)に対する抗体がみられる。ごくまれに医薬品によっても起こることがある。ワクチン類やインターフェロン製剤、ペニシラミン、ニューキノロン系抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、免疫抑制薬、モノクローナル抗体製剤、抗悪性腫瘍薬等で報告がある。医薬品の使用ないし接種後2週以内の発症が多い。
(予後)
症状は良くなったり悪くなったりはせず、ピークを過ぎれば改善する。症状の進行は急速で、通常4週間前後でピークに達し、以後回復傾向になり、6~12ヶ月前後で症状が落ち着き安定した状態になる。多くの場合、入院による適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血漿浄化療法等)を必要とする。予後は一般に良好だが、適切な治療がされないと後遺症を残すこともあるので、発症後なるべく早く治療を開始する必要がある。

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