質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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マロリー・ワイス症候群とは?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2025年4月 |
マロリー・ワイス症候群(Mallory-Weiss syndrome)は、主に頻回の嘔吐などによる急激な腹圧の上昇とともに局所粘膜の脆弱性が誘因となり、胃食道粘膜接合部近傍に裂創をきたし、ここからの出血による消化管出血で発症する疾患である。飲酒後の嘔吐による症例で概念が確立したが、咳、くしゃみ、妊娠悪阻、乗り物酔い、腹部打撲、上部消化管内視鏡の検査時の嘔吐反射や抗がん剤による嘔吐などが要因となる。一般的には、自然止血や内視鏡的止血で予後は良好である。活動性出血や深い裂創を認める場合には、クリップによる止血・縫縮を行う。止血確認後、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬、粘膜保護薬、制吐薬などを用いて治療を行う。繰り返す嘔吐による物理的な要因による裂創が原因となるため、嘔吐の原因を取り除くよう努め、再発を予防する。