質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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良性新生児睡眠ミオクローヌス(BNSM)とは?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2025年5月 |
良性新生児睡眠ミオクローヌス(Benign neonatal sleep myoclonus:BNSM)は、Coulterらによって1982年に初めて報告された非てんかん性発作性疾患である。BNSMは稀な疾患ではなく、推定発生率は1000出生当たり0.8~3.0例とされているが、十分に認識されていない疾患のため、新生児てんかん発作等と誤診されることがある。BNSMにおけるミオクローヌスは睡眠時にのみ見られ、覚醒に伴い消失する。BNSMの特徴として、(1)新生児期の発症(通常は生後2週間以内)、(2)睡眠時のみのミオクローヌス、(3)ミオクローヌスは覚醒により消失、(4)ミオクローヌス出現時に脳波上てんかん発射を伴わない、(5)発作や発達の予後良好、の5項目があげられる。
BNSMの病因として、神経伝達物質であるセロトニン系の一過性の成熟不全、脳幹/網様体賦活系の成熟障害等が示唆されている。BNSMにみられるミオクローヌスは通常、無治療で6ヶ月以内に自然に寛解するため、抗てんかん薬による治療は不要である。
(太田穂高ら:脳と発達 38:283,2006.
Yasuhiro Suzuki et al:Brain & Development 37(1)71,2015.より)