公益社団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。

アピキサバン(DOAC)を服用中だが、出血性潰瘍の予防にプロトンポンプ阻害薬(PPI) を使用することはあるか?(一般)
疾病・治療法
年月 2025年5月 

抗血小板薬(低用量アスピリンとクロピドグレル)の2剤併用療法(DAPT)では、上部消化管の出血予防にPPIを併用することが推奨されている(潰瘍既往例以外は保険適応外)。
直接経口抗凝固薬(DOAC)服用例でのPPIによる上部消化管出血の予防効果については、ランダム化比較試験で以下の結果が得られた。
 ・リバーロキサバン2.5mgを1日2回 + アスピリン100mgを1日1回
 ・リバーロキサバン5mgを1日2回
 ・アスピリン100mgを1日1回
上記の3群に、パントプラゾール(本邦未発売のPPI)40mg/日またはプラセボを投与し、平均3.02年のフォローで上部消化管イベントの発生を調べた。

(結果)
パントプラゾールは上部消化管イベント全体のリスクを減少させなかったが、胃・十二指腸病変からの出血は有意に減少させた(ハザード比0.52、95%CI 0.28~0.94、p=0.03)。
安定した心血管疾患で低用量の抗凝固薬、アスピリンの単独または併用している症例でのPPIの常用は、有益でない。ただし、この試験は出血リスクが低い患者を対象としており、出血リスクが高い患者では個別にPPIの適用を検討する必要がある。


※Paul Moayyedi, et al.:Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):403-412. e5. 
(日本消化器病学会 消化性潰瘍診療ガイドラン2020(改訂第3版)より)

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