質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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ムカデに咬まれた場合の対処法は?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2025年4月 |
(毒性)ムカデは頭部の顎肢と呼ばれる毒牙で咬んで毒液を注入する。その毒は本来小さな昆虫などの捕食のためのもので、ヒトにとっては相対的に非常に微量である。組成は、ヒスタミン、セロトニン、ホスホリパーゼA2などを含む多種類の成分からなる。毒液中の抗原物質はハチ毒との交差反応性が指摘されており、初めての咬症でも何らかのアレルギー反応が生じる可能性がある。
(症状)局所の激しい疼痛、発赤・浮腫、その後の掻痒感や灼熱感などである。痛みは数時間ほどで軽快するが、翌日以降にさらに腫れたり、かゆみやしびれ、赤みを生じることがある(遅延型アレルギー反応)。また、ごく稀に咬まれた直後に蕁麻疹や呼吸困難、めまいなどの即時型アレルギー反応が現れることもある。過去にムカデに咬まれたことがある場合は、アナフィラキシーショックを起こすこともあるため、めまいや吐き気、意識が薄れるなどの症状が出た場合はすぐに医療機関を受診する。
(処置)咬まれた後には二次的な細菌感染の可能性があるため、まずはできるだけ早く咬まれた箇所を流水で洗浄する。局所を温める温熱療法は科学的根拠が乏しく推奨されない。咬まれた部位に腫れや痛みなどの症状がある場合は、一般用医薬品のストロングクラスのステロイド(ベタメタゾン吉草酸エステルやフルオシノロンアセトニドなど)の外用薬を塗り、様子をみる。5~6日間使用しても症状が改善しない、または悪化している場合は、速やかに医療機関を受診する。幼児~小学生や2歳未満の乳児は、成人に比べて症状が強く出やすいため、医療機関を受診し、医師の診断と治療を受けるのが望ましい。