質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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あせもの治療法は?ベビーパウダーを使っても良いか?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2011年8月 |
あせも(汗疹)は高温多湿の環境下で、一気に多量の発汗があり、かつ汗が蒸発しにくく細い汗管で汗の通過が相対的に滞り、あるいは閉塞して汗管内に汗が貯留し、皮膚表面に排泄されずに周囲組織に漏れ出るために起こる。汗の貯留部位によって下記のように症状が異なる。ベビーパウダーの使用は汗の出口(汗孔)を塞いだり、シワの奥にたまったりすることがあり勧められない。ただし、皮膚の水分が十分に取れて、皮膚が乾燥している状態に薄く塗布することで、予防効果は期待できる。
水晶様汗疹 |
表皮の角層内に汗が貯留。高温・多湿の環境下や高熱の後に体幹、四肢など全身に発現する径1~2mmの均一な水疱。炎症はなく、発赤や痒みを伴わない。水疱は数日で破れ治癒するので治療は不要。汗をこまめに拭き、シャワーで早く汗を流し、涼しい環境を整える。 |
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紅色汗疹 |
表皮内に汗が貯留。額、頭、頸、腋窩、肘・膝の内側、胸背部等に発現する直径2~3mmの紅くブツブツとした小丘疹。周囲が発赤し、軽い痒みやヒリヒリした痛みを伴う。皮疹部は黄色ブドウ球菌が繁殖しやすく、皮膚表面に感染すると伝染性膿痂疹(とびひ)、真皮内に感染すると熱感・疼痛・発熱等を伴う多発性汗腺膿瘍(あせものより)となる。治療は非ステロイド性抗炎症薬やステロイド外用薬のクリーム製剤を使用(軟膏製剤は汗管を閉塞するので避ける)。多発性汗腺膿瘍(あせものより)はセフェム系、ペネム系抗生物質の内服が必要で、局所療法は穿刺または切開して排膿し、抗菌外用薬を使用する。 |
深在性汗疹 |
真皮内に汗が貯留。やや青みがかった白色の扁平な小丘疹が多数集まり広範囲に及ぶ。痒みはほとんどなく紅色汗疹に続いて起こる場合が多い。汗管の閉塞により汗が流出できないため、熱中症を起こしやすい重症型で、熱帯地方に多く、日本ではまれである。 |