公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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肝性脳症の高アンモニア血症にラクツロースを使用中だが、抗菌薬は必要ないか?(薬局)
疾病・治療法
年月 2016年2月 

肝性脳症は、腸管内で発生する有害物質(アンモニア、低級脂肪酸、メチルメルカプタン等)が肝臓で処理されずに、血液脳関門を通過し脳機能を抑制するために起こる。難消化性二糖類(ラクツロース、ラクチトール)は、消化・吸収されずに下部消化管に達し、ビフィズス菌、乳酸菌によって利用・分解され、有機酸(乳酸、酢酸、酪酸等)を産生する。この有機酸が①腸管内pHの酸性化をもたらし、②アンモニア産生菌の発育を抑制し、③腸管内アンモニアの吸収を抑制することで、高アンモニア血症を改善する(保険適応)。難消化性二糖類で高アンモニア血症が改善しない場合に、腸管非吸収性抗菌薬のカナマイシン硫酸塩、ポリミキシンB硫酸塩を併用する。これらは、腸内細菌の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解するウレアーゼ活性を抑制し、アンモニアの産生を減少する。ウレアーゼ活性が高いバクテロイデス等の嫌気性グラム陰性桿菌にはバンコマイシン塩酸塩が効果的である(いずれの抗菌薬も保険適応外)。ただし、副作用や菌交代症の問題もあり、長期投与はできない。

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