質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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トリプタン系薬やエルゴタミン製剤が使用できない患者の片頭痛の予防・治療薬は?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2012年12月 |
片頭痛の急性期治療には、トリプタン系薬やエルゴタミン製剤が使用されるが、これらは血管収縮作用を有するため、以下の患者等には禁忌である。
トリプタン系薬:
心筋梗塞の既往歴、虚血性心疾患またはその症状・兆候、異型狭心症(冠動脈攣縮)、脳血管障害や一過性脳虚血発作の既往、末梢血管障害、コントロールされていない高血圧症
エルゴタミン製剤:
末梢血管障害、閉塞性血管障害、狭心症、冠動脈硬化症、コントロール不十分な高血圧症、ショック、側頭動脈炎
上記薬剤が禁忌の患者の急性期治療は、アセトアミノフェン、NSAIDsが第一選択薬で、片頭痛予防にはカルシウム拮抗薬、β遮断薬(冠動脈疾患合併例にも使用でき、かつ合併症もともに治療可能)、抗てんかん薬、抗うつ薬、ACE阻害薬およびARB等を使用する。片頭痛予防の保険適応を有するのは、ロメリジン塩酸塩(テラナス、ミグシス)とバルプロ酸ナトリウム(デパケン等)のみである。ただし、プロプラノロール塩酸塩(内服薬)(インデラル)は公知申請により片頭痛発作の発症抑制に保険適応が認められ、また、アミトリプチリン塩酸塩(トリプタノール等)とベラパミル塩酸塩(内服薬)(ワソラン等)は保険審査上、片頭痛への使用が認められているが、いずれも薬事法上の適応は未承認である。