質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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腎臓内科からカルシウム拮抗薬が2剤処方されているが、併用することはあるか?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2013年9月 |
平滑筋等に分布するカルシウム(Ca)チャネルにはL型、N型、T型等があり、カルシウム拮抗薬(CCB)は、その作用するCaチャネルによりL型、N型、T型に分類される。腎尿細管において各Caチャネルは、下表のように分布している。
ニフェジピンやアムロジピン等のほとんどのCCBは、L型チャネルを抑制することにより輸入細動脈のみを拡張させるため、糸球体高血圧を誘導する可能性がある。一方、エホニジピン等は、L型とT型チャネルの抑制作用を有し、輸入・輸出細動脈を拡張させるため、糸球体内圧低下作用を有する。また、シルニジピンはL型とN型チャネルの抑制作用を有し、輸入・輸出細動脈の交感神経による細動脈収縮を抑制するため、糸球体内圧低下作用を有する。糸球体内圧の低下は、尿蛋白増加を抑制し、腎保護に関与している。近年、慢性腎臓病(CKD)において、十分な降圧と尿蛋白の減少を目的に、L型CCBとN型やT型CCBを併用することがある。ただし、腎機能の予後に関して、これらのCCBの間で差があるか、併用により心血管疾患発症抑制効果が改善するかは不明である。
Caチャネル |
L型 |
N型 |
T型 |
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腎尿細管 |
輸入細動脈 |
輸入・輸出細動脈に分布する交感神経終末 |
輸入・輸出細動脈 |