質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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肝疾患を合併する高血圧に使用する降圧剤は何か?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2018年6月 |
重症の肝機能障害では、肝代謝型の降圧剤は血中濃度が上昇するため、投与量の減量等が必要である。ラベタロールとメチルドパは薬剤性肝障害が起こりやすく、肝機能障害者への使用は避ける。
(β遮断薬)プロプラノロールは門脈圧を低下させ、肝硬変患者の消化管出血と死亡リスクを低下させるメタアナリシス結果が報告されているが、脂溶性が高く、肝硬変患者では半減期が約3倍になるので減量する必要がある。腎排泄性のアテノロールやカルテオロールが比較的安全である。
(RA系阻害薬)基礎的研究や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)では、肝臓の線維化を抑制する可能性がある。肝機能の低下した肝硬変では、プロドラッグの活性化遅延が起こり、降圧効果が遅れる可能性がある。
(カルシウム拮抗薬)ほとんどが肝代謝型であり、投与量の減量や服用間隔の延長等の対応が必要である。
(降圧利尿薬)肝硬変患者では急激な利尿作用を介して肝性昏睡を誘発することがあり、慎重に使用する必要がある。
(高血圧治療ガイドライン2014より)