質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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乳癌の骨転移に対して、骨吸収抑制薬(ビスホスホネート系薬、デノスマブ)は勧められるか?特徴は?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2018年8月 |
乳癌骨転移に対して、骨吸収抑制薬は骨関連事象(SRE)のリスク低下効果が示されており、骨転移をもつ患者に使用するのが標準である。わが国で使用する薬剤は、破骨細胞を直接抑制するビスホスホネート系薬(ゾレドロン酸:ゾメタ等)または破骨細胞形成を抑制する抗RANKL抗体(デノスマブ:ランマーク)である。
用法・用量 | 特徴等 | ||
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ゾレドロン酸 | 1回4mgを15分以上かけて3~4週毎に点滴静注。 | 12週間隔投与の効果は、3~4週間隔投与に対する非劣性が示されており、全身状態の良好な骨転移患者では12週間隔投与を検討できる。しかし、長期的な有効性や安全性については明らかになっていない。 腎機能低下に応じた用量調節が必要である。 |
顎骨壊死の頻度はともに1~2%程度で、開始前の顎骨壊死リスクの評価や治療中の定期的な口腔ケアを行う。 |
デノスマブ | 1回120mgを4週毎に皮下注。 | ゾレドロン酸よりも有意にSREリスクを低下させることが示されており、ゾレドロン酸よりも推奨度が高い。ゾレドロン酸に比べ急性期反応(発熱、骨痛等)や腎機能障害が少なく、腎機能による用量調節は必要ないが、歯痛や低カルシウム血症が多く、血清補正カルシウム値が高値でない限り、カルシウムおよびビタミンDの経口補充が必要である。 |
(乳癌診療ガイドライン2018年版より)