質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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急性細菌性前立腺炎に使用される抗菌療は何か?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2019年3月 |
急性前立腺炎は、前立腺生検や経尿道操作後などの下部尿路操作後と、それらの既往のないものがあり、前者は全体の約10%で、高齢者が多く、前立腺膿瘍を併発するリスクが高い。
(自他覚症状)
38℃以上の発熱、全身倦怠感などの全身症状と排尿痛、頻尿、尿意切迫感、排尿困難、会陰部不快感、会陰部痛などの局所症状を呈する。
(原因菌)
65~87%はE. coliで、P.aeruginosaが3~13%、Klebsiella属が2~6%、グラム陽性球菌が3~5%、その他が9%程度と報告されている。
(治療)
敗血症など重症化もしばしば認められ、初期治療には原則として注射剤の抗菌薬を選択する。
軽症・中等症 | 第一選択 (経口) |
レボフロキサシン 1 回 500mg、1 日 1 回、14 日間 シプロフロキサシン 1 回 200mg、1 日 3 回、14 日間 トスフロキサシン 1 回 150mg、1 日 3 回、14 日間 シタフロキサシン 1 回 100mg、1 日 2 回、14 日間 |
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第二選択 (経口) |
スルタミシリン 1 回 375mg、1 日 3 回、14~28 日間 スルファメトキサゾール・トリメトプリム(S・T)合剤 1 回 S 800mg・T 160mg、1 日 2 回、14 日間 |
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重症 | Empiric therapyで3日間治療し、その後初回提出尿培養・薬剤感受性成績によりdefinitive therapyに切り替える。症状寛解後、経口抗菌薬(軽症、中等症の薬剤)に変更する。治療期間は合計で14~28日間とする。 | |
第一選択 (点滴静注) |
セフォチアム 1 回 1g、1 日 2 ~4 回、3 ~ 7 日間 セフタジジム 1 回 1g、1 日 2 ~4 回、3 ~ 7 日間 フロモキセフ 1 回 1g、1 日 2 ~4 回、3 ~ 7 日間 |
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第二選択 (点滴静注) |
タゾバクタム・ピペラシリン 1 回 4.5g、1 日 3 回、3 ~ 7 日間 パズフロキサシン 1 回 500mg、1 日 2 回、3 ~ 7 日間 |
(JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2015-尿路感染症・男性性器感染症-より)