質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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夏型過敏性肺炎とは?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2019年7月 |
過敏性肺炎とは、有機物の粉塵や化学物質を繰り返し吸い込んだことによるⅢ型およびⅣ型アレルギー反応が原因のアレルギー性呼吸器疾患である。真菌の一種トリコスポロン・アサヒ(Trichosporon asahii)が抗原となり発症するのが夏型過敏性肺炎である。トリコスポロン・アサヒは、温度20℃以上、湿度60%以上の高温多湿の環境で増殖するため、真夏を中心に6~9月にかけて発生頻度が高まる。キッチンのシンク周辺、洗面所、バスルーム、脱衣所、洗濯機置き場周辺、押し入れ、窓のサッシまわり、エアコン内部が繁殖場所となる。
(症状)
息切れ、咳嗽、発熱など。抗原の存在する環境から離れると症状が軽快するのが特徴で、長時間在宅することの多い女性の発症頻度が高く、男性の約2倍である。冬にはトリコスポロン・アサヒは増殖せず、原因抗原が少なくなるため、症状は軽快する。
(治療)
トリコスポロン・アサヒの除去が基本で、掃除や消毒など繁殖場所のカビ対策が重要である。中等症以上には副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン換算で20~40㎎/日)の短期投与を行うことが多く、急性呼吸不全例ではステロイドパルス療法を行うこともある。