質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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認知症に伴う不穏に対する薬物療法は?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2020年1月 |
認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)には、非薬物療法を優先的に行うことを原則とする。薬物療法を行う場合は、有害事象と投薬の必要性を継続的に評価する。認知症に伴う不穏は、焦燥性興奮の要素のひとつであり、以下の薬物療法が期待できる(いずれも保険適応外使用)。
分類 | 医薬品 | 備考 |
---|---|---|
非定型抗精神病薬 | リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、アリピプラゾールなど | 有効性が示されているが、長期使用の有効性に関する科学的根拠は不十分である。高齢患者では死亡率が1.6~1.7倍高くなり、転倒などのリスクが高くなる。 |
抗うつ薬 | セルトラリン、エスシタロプラム、トラゾドン | 有効性が報告されているが、エビデンスが不十分である。 |
気分安定薬 | カルバマゼピン | カルバマゼピンの効果は期待できるが、バルプロ酸の使用は推奨されない。 |
その他 | 抑肝散、チアプリド | 有効性が報告されている。 チアプリドは、「脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮、徘徊、せん妄の改善」に保険適応あり。 |
(かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)、日本神経学会:認知症疾患診療ガイドライン2017より)