公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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高齢者の夜間頻尿の対応は?(薬局)
疾病・治療法
年月 2020年4月 

国際禁制学会では、「夜間頻尿とは夜間排尿のために1 回以上起きなければならないという訴えである」と定義され、男女ともに加齢に伴い増加する。夜間頻尿は、排尿日誌等をもとに原因を探索し、生活指導や関連する基礎疾患の治療等により対応する。

原因 対応
膀胱蓄尿障害 過活動膀胱による蓄尿障害には、抗コリン薬を使用する。夜間のみの頻尿であれば、副作用(口内乾燥、便秘等)軽減のため、半減期の短い抗コリン薬(イミダフェナシン等)を選択する。選択的β3アドレナリン受容体作動薬(ミラベクロン)も使用可能。
前立腺肥大症等の下部尿路閉塞症状で残尿量が増加し、機能的膀胱容量が低下している場合は、α1遮断薬(シロドシン、タムスロシン、ナフトピジル等)を使用する。肥大した前立腺を縮小させるため、5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)を使用することもある。
夜間多尿(夜間尿量の増加) 生活指導 生活指導のみで改善するケースは多い。過剰な飲水がある場合、夜間の飲水過多を避け、1日の飲水量は体重の2~2.5%、24時間尿量は20~25mL/kg程度になるよう指導する。
夕方あるいは夜間の散歩等の運動(1日20分程度)は、間質に貯留した水分を運動による筋肉ポンプ作用で血管内に戻し、また汗として体外に排出する作用もあり有効である。下肢を挙上した30分以内の昼寝、弾性ストッキングの使用、カフェイン、アルコールの摂取を控えることもよい。
薬物療法 高齢者では潜在的心不全を持っている例が多いため、BNP等を測定したうえで、抗利尿効果のあるデスモプレシン〔ミニリンメルトOD錠25µg・50µg(男性における夜間多尿による夜間頻尿にのみ適応)〕を就寝前に使用するが、副作用(低Na 血症、頭痛、浮腫等)に注意が必要である。また、昼間にフロセミド等の利尿薬を使うことも有効である。
睡眠障害 生活指導やベンゾジアゼピン系睡眠薬が推奨される。高齢者は半減期の短いもの、筋弛緩作用が少ないもの(ゾルピデム、エスゾピクロン等)を使用することが望ましい。眠りやすい環境、就寝時の保温、長過ぎる就床時間の改善等を工夫する。
睡眠時無呼吸症候群には、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)が推奨される。

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