公益社団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

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授乳中にベンゾジアゼピン系抗不安薬のアルプラゾラムを服用して問題ないか?代替薬は何がよいか?(介護)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦
年月 2025年6月 

(添付文書の記載)
授乳を避けさせること。ヒト母乳中への移行が報告されている。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また、黄疸を増強する可能性がある。


(アルプラゾラムのヒト母乳への移行性)

出産後6~28週の8例の健康な授乳婦にアルプラゾラム0.5mgを単回投与し、以後36時間まで血漿と母乳を複数回採取した(表)。代謝物4-ヒドロキシアルプラゾラムおよびα-ヒドロキシアルプラゾラムは母乳中から検出されなかった。アルプラゾラムの血漿中濃度と母乳中濃度は、時間の経過に伴い、各ピーク値からの傾きが同じ推移を示した。これは、血液-母乳関門をたやすく双方へ通過し、拡散していることが示唆される。平均M/P比(milk/plasma ratio:薬剤の母乳中濃度/母体血漿中濃度比)は0.36±0.11であった。

授乳婦がアルプラゾラムを服用した場合、哺乳児が摂取する量は少なく、0.3~5μg/kg/日もしくは母親の摂取量の3%(体重換算)である。

表 アルプラゾラムの薬物動態のパラメータ(平均値)

Cmax(ng/mL-1 Tmax(hr) 平均残存時間(hr) T1/2(hr)
血漿 8.88±2.69 0.60 16.42±4.69 12.52±3.53
母乳 3.70±1.59 1.10 18.93±7.03 14.46±6.27

(東京都病院薬剤師会編:授乳婦と薬 第2版 じほう 2023年より)


(LactMed(米国国立衛生研究所が運営するウェブサイト)の評価)

授乳中に服用可能だが、乳児への鎮静作用などの報告があるため、授乳中の反復使用、特に新生児や未熟児への反復使用は最適ではない。単回投与であれば、授乳を控える必要はない。活性代謝物を含まない、作用時間が短いベンゾジアゼピン系薬剤が好ましい。
検討すべき代替薬として、本邦で承認されている医薬品ではロラゼパムがある。
※ロラゼパムの添付文書には、アルプラゾラムと同様の記載があるが、アルプラゾラムの相対的乳児薬物摂取量(RID)*は8.5%、ロラゼパムのRIDは2.6~2.9%と、ロラゼパムの方が低い。また、他のベンゾジアゼピン系薬剤に比べ半減期が短く、活性代謝物がない。ただし、服用中は、乳児の鎮静作用等への注意が必要である。
* 相対的乳児薬物摂取量(RID):Relative infant dose。乳児が1日に母乳を介して摂取する薬の用量とその薬の母親の摂取量を、母親と児の体重で標準化して評価した指標。T. W. Haleは著書の中で、RIDが10%未満の薬物は、概ね安全と評価できると解説している。

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