質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
質疑・応答検索
相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。
※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。
抗精神病薬のセロクエル(クエチアピンフマル酸塩)を服用中に肺塞栓症を起こし入院した。この薬で起こることはあるのか?(一般)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
|
年月 | 2012年3月 |
抗精神病薬で静脈血栓塞栓症(VTE:Venous Thromboembolism)が起こることがある。クロルプロマジンを中心とする定型抗精神病薬だけでなく、クロザピン(クロザリル)を中心とした非定型抗精神病薬の服用例にVTE(肺塞栓症や深部静脈血栓症を含む)の報告が多数ある。発現機序は不明だが、血小板のセロトニン5-HT2A受容体を介した血小板凝集能の亢進や、薬剤性の全身性エリテマトーデスなどの関与が示唆されている。また、抗精神病薬の副作用の一部(鎮静や体重増加等)は静脈血流うっ滞に関与し、VTEのリスク因子と考えられている。不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等のリスク因子を有する患者へ投与する場合には注意し、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。