質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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多発性骨髄腫の診断に使用されるM蛋白とは何か?(一般)
検査値・検査方法 |
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年月 | 2011年12月 |
多発性骨髄腫を含む形質細胞性腫瘍は、体内で形質細胞が過剰産生する疾患である。形質細胞は、骨髄で作られる白血球の一種のBリンパ球(B細胞)が成熟した細胞で、正常な状態では、細菌やウイルスの侵入により、一部のB細胞が形質細胞に変化する。形質細胞は、様々な種類の細菌やウイルスに対する抗体を産生し、感染や疾患の発生を阻止する。形質細胞性腫瘍は、骨髄中で異常な形質細胞(骨髄腫細胞)が過剰に増殖する疾患で、正常な赤血球、白血球、血小板の産生が不十分となり、貧血、出血や感染が起こりやすくなる。さらに、異常な形質細胞によって、骨組織や軟部組織に腫瘍が形成される。また体にとって不要で、感染防御機能はないM蛋白(monoclonal protein:モノクローナル蛋白)と呼ばれる抗体を生産する。M蛋白は血液中または尿中において異常に大量に認められ、骨髄内に蓄積され、血液を粘稠化し、腎臓に損傷を与える可能性がある。