質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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検査値のANCA(抗好中球細胞質抗体)とは?(医師)
検査値・検査方法 |
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年月 | 2020年2月 |
ANCA:Anti-Neutrophil Cytoplasmic Antibodies(抗好中球細胞質抗体)は、好中球細胞質に対する自己抗体で、ANCA関連血管炎〔顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)〕の診断、疾患活動性の推測に有用である。
ANCAは間接蛍光抗体法の蛍光染色パターンにより、P(perinuclear)-ANCAとC(cytoplasmic)-ANCAに分類され、P-ANCAはmyeroperoxidase(MPO)、C-ANCAはproteinase3(PR3)を主な対応抗原とする。ELISA法によって測定する場合には、MPO-ANCA、PR3-ANCAと表記される。MPO-ANCAはMPAとEGPA、PR3-ANCAはGPAの疾患標識抗体である。また、MPAの限局型とも考えられる腎限局型血管炎(RLV)の疾患標識抗体もMPO-ANCAである。
ANCAはGPAの90%、MPAの80%、EGPAの40%でそれぞれ陽性となるが、ANCA関連血管炎以外にも炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、サルコイドーシスなどの様々な疾患や薬剤(プロピルチオウラシル、ヒドララジン、D-ペニシラミン、ミノサイクリンなど)で陽性となる(臨床検査データブック2009-2010、医学書院より)。