Q:米国で発売されている脱毛症治療薬「プロペシアTM」の日本での発売はいつか?(薬局) |
万有製薬が臨床試験を終了し,2003年3月に厚労省に申請している段階である。成分はステロイド5α−還元酵素阻害薬のフィナステリドで,男性型脱毛症に適応を有する内服薬である。本剤はテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害して,ジヒドロテストステロンの皮膚や他器官のアンドロゲン受容体への結合を阻止する作用を有する。本来は前立腺肥大や前立腺がんの治療薬として開発されたが,副作用として異常発毛がみられた事から,男性脱毛症の治療薬として発売されることとなった。 |
Q:狭心症治療薬のニコランジルは,ニトロ類(硝酸系薬)に分類されるのか?(医師) |
ニトログリセリンと同様に構造にニトロ基を有し(ニコチン酸アミド誘導体),硝酸系薬であるが,薬理作用から硝酸系薬とは異なる狭心症治療薬である。硝酸薬系と同様の作用として,冠血管平滑筋のグアニル酸サイクラーゼ活性化によるcyclic−GMP産生量の増大による冠血管拡張作用がある。これに加えてニコランジルはATP感受性Kチャネルを開口する作用を有するため,Kチャネルオープナとして分類されている。Kチャネルの開口により膜電位の過分極が起こり,電位依存性Caチャネルを介するCa2+の細胞内流入を抑制することにより,血管拡張作用をもたらす。 |
Q: 酸化マグネシウムと重質酸化マグネシウムの違いは何か?(薬局) |
酸化マグネシウムのうち5gの容積が30mL以下のものを別名として重質酸化マグネシウムと表示することができる。効能・効果,用量・用法などは同じである。 |
Q:ジスロマックTM錠250mg(アジスロマイシン)に新しく追加された適応症は何か?(薬局) |
クラミジア・トラコマティスによる尿道炎,子宮頸管炎に対して,1,000mgの1回投与が追加になった。1回だけの投与により有効組織内濃度が約10日間持続する。投与後2〜4週間は経過観察し,効果が認められない場合は他剤に変更する。 |
Q: 糖尿病網膜症の患者は,急激に血糖値を下げない方が良いのか?(薬局) |
長期間放置されていた糖尿病網膜症の患者に急激な血糖のコントロールを行うと,網膜症が急速に進行する可能性がある。糖尿病網膜症の進展を防ぐには,HbA1c値で6ヶ月に2〜3%の割合で血糖降下を行うのが良いとされている。 |
Q:食道裂孔ヘルニアの治療法は?(薬局) |
食道は横隔膜を貫く形で胃とつながっている。食道が横隔膜を通過する孔を食道裂孔と言い,横隔膜等の筋肉の働きで胃酸や胃の中の食べ物が食道に逆流しないようになっている。食道裂孔ヘルニアとは,この裂孔を通って胃の一部が胸腔内に入り込んだ状態で,一般には加齢とともに増加し,その他に,妊娠,円背,肥満などの腹圧上昇も危険因子となる。大部分はヘルニアの程度が軽く,無症状の人が多い。しかし逆流性食道炎の合併や,それによる瘢痕狭窄による嚥下障害をきたす場合は,内科的治療としてH2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬の投与を行い,症状が改善しない場合は手術が行われることがある。 |
〔副作用・相互作用・安全性情報〕
Q:排尿障害治療薬のウブレチドTM錠(臭化ジスチグミン)を服用している患者は,下痢の副作用に注意しないといけないらしいが,なぜか?(薬局) |
ウブレチドTM錠は可逆的なアセチルコリンエステラーゼ阻害薬で,アセチルコリンの作用を増強する。したがってこの薬理作用に起因する副作用で,意識障害を伴うコリン作動性クリーゼが発現することがあり,重篤な症例も報告されている。初期症状は下痢,腹痛,発汗,唾液分泌過多,縮瞳,徐脈,呼吸困難等で,投与開始2週間以内に発現することが多く,特に下痢と腹痛が多くみられるため,服薬指導として患者に注意を促す必要がある。 |
Q:インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを接種しようと思うが,間隔はどのくらいあけたらよいか?(一般) |
A:
2種類以上のワクチンを接種する場合の間隔は,不活化ワクチンやトキソイドの接種後は1週間以上,生ワクチンの接種後は4週間以上あける。
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Q:修正液をなめたらしい。中毒症状と対処方法は?(医師) |
修正液には用途別に水性,油性,万能型の3タイプがあり,主成分は,いずれも酸化チタン40〜50%,樹脂10%を含有する。溶剤はタイプにより異なり,エタノール,メタノール,トルエン,トリクロロエタン等が使用される。修正液1瓶の容量は約15〜25mLであり,大量に服用すると主に有機溶剤による中毒症状(悪心・嘔吐,頭痛,めまい,咳嗽,呼吸抑制など)を起こす。経口の場合は胃洗浄,吸着剤,塩類下剤の投与,対症療法を行う。誤嚥性肺炎を起こす可能性があるので,催吐は禁忌。また胃洗浄をする場合は誤嚥に注意する。 |
〔保険・行政・その他〕
Q:薬袋への記載事項は決まっているか? |
調剤された薬剤の容器又は被包に,患者氏名,用法・用量,調剤年月日,調剤した薬剤師の氏名,調剤した薬局または病院・診療所の名称および所在地を記載しなければならない(薬剤師法第25条,同施行規則第14条)。 |
Q: 体脂肪とインピーダンスの関係は?(薬局) |
インピーダンスとは電気抵抗のことである。筋肉は水分を多く含むので電気が通りやすく,脂肪は水分を含まないので電気が通りにくい。したがってインピーダンスの値は,体脂肪量が増加すると上昇し,筋肉量が増加すると低下する。 |
Q:免疫ミルクとは何か?(薬局) |
1958年に米国スターリー研究所が開発した。ヒト由来の26種類の細菌(ブドウ球菌類,化膿連鎖球菌,大腸菌,サルモネラ菌等)を無毒化し,ワクチンとして乳牛に継続的に接種して,乳牛の体内にこれらの細菌に対する特異的抗体を産生させ,この乳牛から得られたミルクを「免疫ミルク」と称している。免疫ミルクには有害菌の腸内での無毒化,慢性関節リウマチ等の炎症症状の緩和,免疫異常の調整などの作用があると考えられている。 |
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