Q: 歯科で行われる3-MIX療法とは何か?(薬局) |
虫歯の治療方法。抗菌作用を有する3種類の薬剤を混合した軟膏を用いて虫歯病巣を殺菌して自然修復を図ることにより,ほとんど削らずに保存的に治療することが可能である。病巣から分離される細菌の大半は偏性嫌気性菌であり,有効な抗菌薬の組み合わせとして,メトロニダゾール+シプロフロキサシン+ミノサイクリン,またはメトロニダゾール+シプロフロキサシン+セファクロルが用いられている(保険適応外使用)。 |
Q: ヘリコバクター・ピロリ菌の1次除菌に失敗した後の2次除菌療法は?(薬局) |
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌には,プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾールまたはランソプラゾール),アモキシシリン,クラリスロマイシンの3剤併用療法が行われているが,最近クラリスロマイシン耐性菌が増加している。除菌に失敗した場合,クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更した3剤併用療法が推奨されている(保険適応外使用)。この2次除菌療法の除菌率は約90%程度と報告されている。 |
Q: 排卵障害で,カバサールTM錠をもらった。1週間に1回服用するように言われたが,それで効果があるのか?(一般) |
プロラクチンは卵胞の発育・排卵を抑制する作用を有するため,高プロラクチン血症では排卵障害を生じる。カバサールTM錠(カベルゴリン)は,脳下垂体のドパミン受容体を刺激して,プロラクチンの分泌を抑制し卵巣の機能を正常化する。1週1回(同一曜日)就寝前の服用により,服用1日後には血中プロラクチン値は低下し,服用7日後においても著明な抑制効果が持続するので,1週間に1回の服用で効果がある。 |
Q: 血管運動性鼻炎とは何か?(薬局) |
血管運動(神経)性鼻炎はアレルギー性鼻炎と同じ症状(くしゃみ,水様性鼻漏,鼻閉)を主症状とする。しかし特定抗原が不明で,鼻汁中の好酸球の増加がみられず,原因不明の鼻粘膜過敏性により発症する。寒冷刺激などの物理的刺激に過敏で,自律神経の異常および心因の関与が考えられる。 |
Q: アトピー性皮膚炎の患者が,「SEBにアレルギーです」と言ったが,SEBとは何か?(薬局) |
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が産生する外毒素(enterotoxin)にはA型〜E型があり,特にA型(SEA)およびB型(SEB)は,アトピー性皮膚炎を増悪させるアレルゲンである。これらは肥満細胞から化学伝達物質の放出,T細胞の非特異的活性化,局所細胞・浸潤細胞からの起炎症サイトカイン遊離などの作用を有している。健康な肌の人では菌の保有率が低く,また皮膚バリア機能が正常に働くので,菌は内部に入り込まないが,アトピー性皮膚炎の患者の場合は,重症な人ほど保有率・菌量が多く,菌が侵入して症状が悪化する。 |
Q:家庭で血圧を測定している。朝の測定はいつ行えばよいか?(一般) |
起床後1時間以内,排尿後,朝食前,服薬前の4点に留意し,座位で1〜2分間安静にした後に測定する。 |
Q: 検査値のPIVKA-Kとは何か?(薬局) |
PIVKA-K(protein induced by vitamin K absence or antagonist-K:ビタミンK欠乏性蛋白−K)は血液凝固第K因子(プロトロンビン)の前駆物質であり,ビタミンK欠乏状態で出現する。またPIVKA-Kは肝細胞がんの約50%で増加しているため,腫瘍マーカーとして用いられる。 |
Q: ミミズを乾燥した粉末を患者が服用しているらしいが,どんな効果があるのか?(薬局) |
ミミズの全体を乾燥した物は「地竜(じりゅう)」と称する。主成分はアラキドン酸,ルンブロフェブリン,ルンブリチン,多種のアミノ酸で,解熱,鎮痛,降圧,利尿,解毒,気管支拡張,血栓溶解などの作用を有している。 |
〔安全性情報〕
Q: 卵胞・黄体混合ホルモン剤による血栓症の発現機序は?(薬局) |
卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用により,フィブリノーゲン,プロトロンビン,血液凝固因子の第P・Q・R・S因子が上昇し,一方,アンチトロンビンLが低下して,血栓塞栓症を引き起こすと考えられている。 |
Q: ポット洗浄剤(クエン酸)で洗浄中のポットのお湯を使ってカップ麺を作り,少し食べたらしいが,毒性は?(薬局) |
クエン酸は食品添加物としても使われており,毒性は低く,ラット経口LD50は3,000mg/kg,マウス経口LD50は5,040mg/kgである。クエン酸を溶かした液を少量摂取した程度であれば,とくに処置は不要で,口腔内を洗浄し,牛乳や卵白を与え経過観察する。症状(口腔・咽頭の炎症,悪心,嘔吐等)がある場合には受診する。 |
〔食品・健康食品・その他〕
Q: 乳がんの患者がエゾウコギを使いたいらしいが,問題はないか?(薬局) |
エゾウコギは,北海道,サハリン,千島,朝鮮半島,中国北部,シベリアに分布し,薬用人参(朝鮮人参・高麗人参)と同種のウコギ科に属する植物である。薬用部分は根皮で,漢方の刺五加として2000年以上前から使用されている。強壮・強精,疲労回復等に用いられているが,エストロゲン様作用があるので,乳がん,および子宮がん,卵巣がん,子宮内膜症,子宮筋腫の患者は摂取を避けるべきである。 |
Q: 健康食品に含まれるCPPとは何か?(薬局) |
CPPはカゼインホスホペプチド(Casein Phosphopeptide)と言い,牛乳のたんぱく質の主成分であるカゼインが腸内で分解されてできる物質である。CPPはカルシウムとリン等が結合してできる不溶性塩の生成を阻害し,カルシウムや鉄分の吸収を促進する働きがある。骨粗鬆症や貧血に有効な成分とされ,特定保健用食品などに配合されている。 |
Q: 倍散を作る時,色素は何を使用し,どのくらいの濃度にすれば良いか?(薬局) |
通常倍散を作る時,主薬が無色の場合は均等に混和されているか確認するために少量の色素を添加し,毒薬は青色,劇薬は赤色に着色する。着色料は原薬が毒薬の場合は食用青色1号アルミニウムレーキを用い,着色濃度が0.002%になるように製する。原薬が劇薬の場合は食用赤色3号アルミニウムレーキを用い,着色濃度が0.001%になるように製する。 |
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