Q:甲状腺機能亢進症の手の震えにβ遮断薬を使用することがあるか?(薬局) |
甲状腺ホルモンによる交感神経緊張症状(β受容体刺激症状)である心悸亢進,手指振戦,発汗などの自覚症状の改善に,β遮断薬を使用することがある。 |
Q: サナダムシの駆除方法は?(薬局) |
一般にサナダムシ(真田紐に似ていることから付けられた)として知られる条虫は,成虫が腸管に寄生する。サケ・マスの生食による日本海裂頭条虫症(広節裂頭条虫症)が最も頻度が高く,その他に牛肉からの無鉤条虫症や,豚肉からの有鉤条虫症などがある。成虫は大きいもので数メートルにもおよぶものがあるが,明確な臨床症状を示さない例が大部分で,時に,腹部不快感,腹痛,食欲不振,下痢があり,排便時に虫体体節の排出で気づくことが多い。駆除は駆虫薬のビルトリシドTM錠(プラジカンテル:バイエル)を日本海裂頭条虫症には1回20〜30mg/kgを,無鉤条虫症には1回5〜10mg/kgを投与した2時間後に(有鉤条虫症には禁忌),マグコロールTM液250mL(クエン酸マグネシウムとして34g)を投与し,便意を我慢して一気に排便させる。消化管造影剤ガストログラフィンTMを十二指腸ゾンデで十二指腸下行脚に注入し,X線透視下に下行した虫体を観察し,排便させて駆虫する方法もある。ただし,いずれも保険適応外使用である。条虫類は細い頸部(頸節)で新しい体節が次々とつくられるので,後部体節が出てきても頸節が残れば早晩もと通りに成長するため,頸節を含む頭部の排泄により治癒したと判断する。 |
Q: OTC薬の乗物酔いの薬にテオフィリンが配合されているがなぜか?(薬局) |
OTC薬の乗り物酔いの薬には抗ヒスタミン薬(塩酸ジフェニドール,塩酸メクリジン,ジメンヒドリナート等),副交感神経遮断薬(臭化水素酸スコポラミン,ロートエキス),中枢神経興奮薬(ジプロフィリン,テオフィリン,無水カフェイン)が配合されている。中枢神経興奮薬は,揺れによって起こる感覚の混乱のもとになる異常な感覚入力を抑えて,乗り物酔いを予防する。また,他配合剤による眠気を軽減する。 |
Q:テルシガンTMエロゾル(日本ベーリンガー)の0.143%5mLの製品が0.178%9.5gに変更になったが,内容が異なるのか?(薬局) |
成分はいずれも臭化オキシトロピウム(抗コリン薬)で,1回噴霧量は同じ。新製品は噴霧剤にオゾン層を破壊しない代替フロン1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA−134a)を使用している。従来の製品は特定フロン製剤で,平成17年3月31日をもって経過措置期限が終了した。 |
Q:白眼が赤くなり瞼裂斑炎と診断されたが,どういう病気か?原因は何か?(一般) |
瞼裂斑とは茶眼に接した白眼に見られる黄色に盛り上った斑点や隆起のことで,鼻側の白眼に多く見られる。これらは悪性のものではなく正常な組織が蛋白質と脂肪の沈着で変化したもので,加齢性の変化とも言え,色は白っぽいものから黄色までいろいろある。炎症を伴う瞼裂斑炎の場合は,充血して赤っぽくなり,異物感や疼痛を覚えることもある。原因は外界からの紫外線によるもの,涙液不足による乾燥によるもの,ハードコンタクトレンズによる物理的な刺激によるものなどが考えられる。充血が目立つ時や瞼裂斑炎を起している時には抗炎症薬や抗生物質などの点眼薬を用いる。予防として,紫外線やホコリを避けるため,外出時にはサングラスをかける。 |
〔安全性情報〕
Q:ドグマチールTM(スルピリド)で月経が止まった患者がいるが,治療方法は?(薬局) |
副作用の内分泌機能異常(プロラクチン値の上昇)により,月経異常や乳汁分泌が起こることがある。薬剤性高プロラクチン血症による月経異常の治療は,まず原因薬剤を中止し,約2ヶ月間は経過観察する。薬剤中止により平均45日で乳汁分泌が停止し,平均53.7日で正常月経に回復した報告がある。中止できない場合は,パーロデルTM(ブロモクリプチン)やテルロンTM(テルグリド)の併用により,プロラクチン値が低下して月経が正常化し,乳汁分泌も消失した報告がある。 |
Q:パーマネントの第2液を老人が少し誤飲したらしいが,処置は?(医師) |
パーマネントの第2液は酸化剤で,成分は臭素酸カリウム2〜5%または臭素酸ナトリウム6〜10%である。推定致死量は臭素酸塩として成人20g,最小致死量は成人4g,小児1〜2g。中毒症状は,悪心,嘔吐,胃灼熱感,腹痛,下痢,血便,嗜眠状態,痙攣,めまい,耳下腺腫脹,頻脈,血圧低下,遅発性の視力障害,ときに不可逆性の聴力障害,急性腎不全,浮腫,溶血,メトヘモグロビン血症によるチアノーゼなどである。催吐は禁忌で,胃洗浄,下剤投与(激しい下痢の時には不可),5%ブドウ糖輸液,解毒剤の10%チオ硫酸ナトリウム(デトキソールTM)の静注,急性腎不全には血液透析や腹膜灌流を行う。 |
〔食品・健康食品・その他〕
Q: ごぼうを切っておくと褐色に変色するが,どうしてか?(薬局) |
ごぼうに含まれるポリフェノール系物質(コーヒー酸,クロロゲン酸,イソクロロゲン酸等)が酵素ポリフェノールオキシダーゼにより酸化されて褐色に変色する。この酵素の活性はpH5で最も強く,pH4以下では著しく低下する。したがって,切ったごぼうを酢やレモン汁を加えた水に漬けるとpHの低下により酵素活性が低下し,ポリフェノール成分が溶出するため変色が軽減し,さらに水中では空気に触れないので変色を防止できる。 |
Q: ほおずきの使用方法は?(薬局) |
7〜8月頃の開花中に地下茎・根あるいは全草を収穫し,水洗いして日干しする。これらの生薬名を酸漿根(さんしょうこん)あるいは酸漿(さんしょう)と言う。酸漿3〜10gに300mLの水を加えて煎じ,約半量に煮つめてから1日3回に分けて食間に服用する。咳止め,解熱,利尿薬として発熱,黄疸,水腫,扁桃炎などに用いる。酸漿根も同様に用いるが,子宮収縮作用があるため妊婦には禁忌である。 |
Q: マグネシウムを多く含む食品には何があるか?(薬局) |
1食あたりマグネシウムを多く含む食品は,牡蠣5〜6個(250g):185mg,あわび1個(250g):135mg,するめいか生・中1尾(250g):135mg,そば生(170g):111mg,あさり1/2カップ(80g):80mg,なまこ1/2匹(50g):80mg,ひまわりの種・フライ味付け(20g):78mg,ブラジルナッツ・フライ味付け(20g):74mg,アボカド1/2個(200g):66mgなどである。 |
Q: セラチア菌を熱水消毒する場合の方法は?(病院) |
芽胞を除くほとんどの細菌には熱水で80℃,10分あるいは90℃,1分などが推奨される。 |
Q:検査値でFBSとは何か?(薬局) |
Fasting Blood Sugarで空腹時血糖値のこと。一般的には検査前日の夜から絶食し,朝食前の空腹時に検査する。正常値は60〜110mg/dL。FBSが126mg/dL以上は糖尿病,110〜125mg/dLは糖尿病の疑いで,さらにブドウ糖負荷試験を行う。 |
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