Q:勃起不全治療薬のバイアグラTM(シルデナフィル)はいつ服用したら良いか?(一般) |
性行為の約1時間前に服用し,服用後30分以降に性行為を始めると効果がある。また食後すぐに服用すると効果の発現が遅くなるので,空腹時または食間に服用する。 |
Q:ハチ毒アレルギーの治療薬があるらしいが?(薬局) |
ハチ毒アレルギーによるアナフィラキシー発現時に用いる自己注射用エピネフリン注射液のエピペンTM注射液0.15mg・同3mg(メルクX)がある。ただしハチ毒に対する特効薬ではない。急性・全身性アレルギー反応(アナフィラキシーなど)が発現した場合,一刻も早く治療を受ける必要がある。エピペンTM注射液は医療機関での治療に代わるものではないが,緊急時の補助的治療薬として症状を緩和する目的で,患者自らが太ももの前外側に筋肉注射する医療用医薬品である。入手には,事前に本剤に関する説明を受講し,メーカーに処方医師登録をした医師による処方が必要で,保険適応外使用である。本剤はハチ毒の他,食物および薬物等に起因するアナフィラキシー反応にも用いられる。 |
Q:こむら返りにフランドルTMテープS(硝酸イソソルビド)を使うことはあるか?(薬局) |
こむら返りとは一般に下肢ふくらはぎ(腓腹筋),太もも,土踏まずの筋肉が疼痛を伴って一時的に痙攣した状態を指し,日常動作や筋肉を収縮させた時に生じる。通常は筋マッサージや消炎鎮痛薬を使用するが,硝酸イソソルビド(ISDN)テープの使用が報告されている(保険適応外使用)。利尿薬投与を必要とする心臓病患者で,頻繁でかつ重症の腓腹筋痙攣を起こす6症例に,ISDNテープを腓腹筋に貼付したところ,貼付2〜3分後に全症例において症状が改善し,その後も痙攣が起こらなくなった報告がある。 |
Q:インクレミンTMシロップに結晶が析出した場合,どうしたらよいか?(薬局) |
インクレミンTMシロップ(溶性ピロリン酸第二鉄)は寒冷時や冷蔵庫保存時に甘味成分であるD-ソルビトールの結晶が析出することがあるため,室温保存となっている。結晶が析出した場合,ぬるま湯に瓶ごと浸し,常温に戻すと溶解する。 |
〔安全性情報〕
Q: ラテックスアレルギーの人が使用できる手袋はあるか?(薬局) |
ゴムの木に傷をつけて得られる,蛋白質を約2%含有する白い樹液をラテックスと言い,この蛋白質に誘発されて起こる即時型アレルギーがラテックスアレルギーである。主に接触蕁麻疹等の症状だが,天然ゴム製手袋に塗布されているパウダーを吸入することにより,呼吸器症状が誘発される場合もある。ラテックスアレルギーの人は,パウダーフリーや合成ゴム製,ビニール製の手袋を使用する。検査用手袋にはトレフィット(東レ・メディカルX)等,手術用手袋にはDerma Tex(Xインターメドジャパン)等がある。 |
Q:バイアスピリンTMは腸溶錠だが,消化管出血が起こることはあるのか?(医師) |
アスピリンによる消化管出血は用量依存的に危険率が上昇することが示唆されているが,最近のメタ・アナリシスの報告では,アスピリンを長期投与した場合,約100例に1例の割合で消化管出血が認められ,その割合は低用量でも減少しないことが示されている。さらに胃粘膜障害を軽減するために,制酸緩衝剤(ダイアルミネート)を配合したものや腸溶錠等の製剤設計をされたものでも,上部消化管出血の相対危険率には差がないとの報告があり,完全に回避できるものではないので,注意が必要である。 |
〔調剤・製剤情報〕
Q:副腎皮質ステロイド軟膏剤との混合により,ステロイドの成分含量が低下する軟膏基剤はあるか?(薬局) |
一般にステロイドはアルカリ性において不安定であり,ステロイド剤のエステル基による分類のうち,モノエステルで17位にエステル基を持ち,21位にOH基を持つものは,混合による刺激やpHがアルカリ性に傾くのに伴い,エステル転移による加水分解を起こし含量が低下することが報告されている。代表的なものとして,キンダベートTM,デルモベートTM,ベトネベートTM,ボアラTM,リンデロンTMV・同VG,ロコイドTM等がある。また高頻度で混合に使用される外用剤のみかけのpHは次のとおり。ザーネTM軟膏(pH7.8〜8.1),パスタロンTMソフト(pH8.1〜8.2),パスタロンTM20ソフト(pH7.4〜7.6),ヒルドイドTM(pH7.8〜8.0),ボンアルファTMクリーム(pH6.0〜8.0)。 (江藤隆史ら監:軟膏剤の処方・調剤ガイド,じほう,2003.より) |
〔行政・保険・その他〕
Q:コンタクトレンズの洗浄に生理食塩液(注射薬)を使用するが,薬局で販売できるか?(卸) |
生理食塩液は処方せん医薬品なので,交付には処方せんが必要となる。またコンタクトレンズの洗浄なので,保険適応はできない。 |
Q:処方せんの交付日を含めて4日を超えた日より調剤を受ける必要がある時は,どうしたら良いか?(薬局) |
処方せんの使用期間は原則として,交付日を含めて4日以内(日祝日を含む)で,この場合は特に記載の必要はない。ただし患者が長期旅行等の特殊事情がある場合,あるいは病状により交付後数日を経過して初めて服用すべき薬剤を処方する場合で,4日を超えた有効期間が必要な時や,逆に病状により必ず3日以内に薬剤を受ける必要がある場合には,処方せんの使用期間の欄に,「平成○年○月○日」と明記する。 |
Q:薬局間で向精神薬の譲受・譲渡は可能か?(薬局) |
可能。第1種および第2種向精神薬を譲り受け,譲り渡しまたは廃棄した時は,その品名,数量,年月日,相手の氏名または名称および住所を記録し,記録の日から2年間保存しなければならない(伝票等でも可。ただし別綴りにする)。同一法人間でも必要。第3種向精神薬は記録義務はないが,同様に記録または伝票を整理して管理することが望ましい。 |
Q:糖尿病を診断する検査で,尿中CPRとは何か?(薬局) |
C-ペプチド(CPR:Connecting Peptide Immunoreactivity)はインスリンの前駆物質プロインスリンの構成成分で,膵β細胞内でインスリン部分とC-ペプチド部分(アミノ酸31個)に分離されて等モル血中に放出され,主に腎臓で代謝され尿中に排泄される。蓄尿して膵臓から分泌される1日尿中のC-ペプチドを測定することで,その日に作られたインスリンの総量がわかり,膵臓がインスリンを作る力(インスリン分泌能)およびインスリン依存性の判定を行うことができる。C-ペプチドは血液でも測定が可能。1日尿中C-ペプチドが20μg/日以下,または空腹時血中C-ペプチドが0.5 ng/mL以下であれば,膵臓のインスリン分泌予備能がかなり低く,インスリン注射が必要であると考えられる。
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