質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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レボドパ製剤とバナナの相互作用は?(薬局)
相互作用 |
|
年月 | 2023年5月 |
以下の報告があり、レボドパ製剤の服用とバナナの摂取には、1時間以上の間隔をあける必要がある。
(1)レボドパ製剤(イーシー・ドパール配合錠 約1/2錠)を水150mLに溶解し、バナナ50g+牛乳100mLに混ぜると赤く変色し、レボドパの含有量が時間とともに顕著に低下した(表1)。この配合変化は、バナナに含まれるポリフェノールオキシダーゼ(PPO)の作用により、レボドパがメラトニン前駆物質であるドーパキノンへ酸化されることに起因する。
表1 レボドパ製剤(イーシー・ドパール配合錠)とバナナジュースとの配合変化
測定項目 |
保存時間(hrs) |
||
---|---|---|---|
配合直後 |
0.5 |
1 |
|
外観 レボドパ残存率(%) |
微帯赤白色 100 |
帯赤白色 65.7 |
帯赤黄色色 41.7 |
(イーシー・ドパール配合錠のインタビューフォームより引用)
(2)ラットでの実験。レボドパ製剤(イーシー・ドパール配合錠)、バナナ約5gをすりおろし、水10mLを加えて混合したもの(バナナジュース)、市販のバナナ成分含有清涼飲料水を用いて、レボドパ血中濃度を測定した。バナナジュースとの併用では、レボドパ単独に比べてCmaxおよびAUC0-240が約50%まで低下した。市販バナナ成分含有清涼飲料水でもCmaxの低下傾向を示し、清涼飲料水との併用にも注意を払う必要があると考えられる(表2)。
表2 レボドパの薬物動態パラメータ (n=3、平均値±標準偏差)
AUC0-240(μg・min/mL) | Cmax(μg/mL) | Tmax(min) | |
---|---|---|---|
レボドパ単独 | 1882.8±49.2 | 17.4±2.5 | 50±10 |
レボドパ+バナナジュース | 933.5±286.6 | 8.6±3.1 | 40±10 |
レボドパ+市販のバナナ 成分含有清涼飲料水 |
1724±217.0 | 12.7±1.8 | 70±27 |
(小合由起ら:YAKUGAKU ZASSHI 125(12),1009,2005. より引用)