質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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ミノキシジルの内服によるAGA治療の患者に対して、相互作用に注意する薬剤は?(薬局)
相互作用 |
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年月 | 2025年2月 |
ミノキシジルの内服薬は降圧剤として開発されたが、本邦では認可されていない。また、ミノキシジルの内服薬を男性型脱毛症(AGA)に対する治療薬として認可している国はない。
それにもかかわらず、全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に、医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので、医薬品医療機器等法の観点から問題視されている。ミノキシジルの内服療法は、利益と危険性が十分に検証されていないため、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められている。
(日本皮膚科学会ガイドラン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」より)
(ミノキシジルの相互作用)
ミノキシジルは、肝臓でグルクロン酸抱合体(ミノキシジル-o-グルクロニド)を形成する。そのため、強力なUDP(ウリジン二リン酸)-グルクロン酸転移酵素(UGT)阻害薬であるプロベネシド、バルプロ酸、アタザナビル(本邦販売中止)との併用で、ミノキシジルの血中濃度が上昇する可能性がある。また、ミノキシジル自体は起立性低血圧を引き起こすことはないが、すでにグアネチジン(本邦販売中止)を服用中にミノキシジルを投与した場合は、重度の起立性低血圧を起こす可能性があるため、ミノキシジル服用開始のかなり前からグアネチジンを中止する必要がある。
(LONITEN 2.5mg・10mg:Pfizer Canada Inc. 2013より)
また、NSAIDsについては、一般的なNSAIDsと降圧剤との相互作用と同様の理由で、“降圧作用の減弱の可能性”があるが、脱毛症の効果に関しては不明である。