質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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妊婦や授乳婦への抗インフルエンザ薬の安全性は?(医師)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2015年1月 |
妊婦は感染症が重症化しやすく、発症後48時間以内の抗インフルエンザ薬投与が重症化予防に有効であることが、パンデミック(H1N1)2009時に明らかにされ、日本産婦人科学会は妊婦への抗インフルエンザ薬投与を推奨している。
授乳婦は、乳児のケアが可能な状況であれば、マスク・清潔ガウン着用、手洗い厳守により、直接母乳を与えても良い。重症でケアが不能な場合には、搾母乳を健康な第3者が与える。
薬剤名(商品名) |
妊婦 |
授乳婦 |
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オセルタミビル |
一般的な先天異常発生率を大きく上回らないと考えられる。 |
母親の内服量の0.5%を乳児が摂取するとされるが、乳児に影響を及ぼす量ではなく、授乳可能である。 |
ザナミビル |
吸入による局所作用のため、母親の血中濃度移行量もごくわずかであり、胎児に重大な影響を及ぼす可能性はないと考えられる。 |
吸入による局所作用のため、母乳中に移行する量は限定的で、乳児に有害な作用が起こるリスクは少ない。 |
ラニナミビル |
流産/早産/胎児形態異常等の有害事象は増加しなかった。 |
母乳中にはほとんど移行しないとの報告があるが、症例数が少なく、今後の検討が必要。 |
ペラミビル |
動物試験(ラット及びウサギ)において、催奇形作用は認められなかった。 |
ラットに10mg/kgを単回静脈内投与後30分の乳汁中のCmaxは、血漿中のCmaxの約1/10、乳汁/血漿中AUC比は約0.5で、乳汁中への移行性は低いことが示された。乳汁中濃度は経時的に減少し、投与24時間後の乳汁中濃度はCmaxの約1/20まで低下した。乳汁T1/2は約6.5時間のため、授乳再開は投与終了後2~3日後が望ましい。 |
(2015年1月現在)