質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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ベンゾジアゼピン系薬の薬理作用に「抗コンフリクト作用」とあるが、何か?(薬局)
薬効・薬理、体内動態 |
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年月 | 2015年4月 |
行動薬理学の動物実験で、条件付け行動による不安・恐怖の評価として、コンフリクト試験(conflict test)があり、ベンゾジアゼピン系抗不安薬などの作用評価に用いられる。コンフリクト試験は、マウスをエサ箱と床に電撃がくる小部屋と、両者がない小部屋の2つの小部屋のあるケージに入れる。まずレバーを押すとエサが出ることを学習させ、次にブザーが鳴ると足元から電撃がくることを学習させる。ブザーを聞いて隣の小部屋に逃げ込めば電撃を避けることができる。エサを食べようとする時にブザーが鳴ると、マウスはエサを食べたいエサ取り行動と逃げないと電撃を受けるという葛藤(コンフリクト)に悩まされる。正常マウスは電撃が嫌なのでエサ取りを止めて隣の部屋に逃げ込むが、ベンゾジアゼピン系薬をあらかじめ投与しておくと、マウスはブザーが鳴ってもエサ取り行動を継続するようになる。この状態を抗コンフリクト作用(anti-conflict effect)が現れた状態といい、物怖じしない又は物事にとらわれない行動をとれるようになると解釈される。