質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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パーキンソン病患者の睡眠、覚醒障害とその対処法は?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2015年11月 |
パーキンソン病(PD)では、罹病期間の延長とともに睡眠潜時が延長し、総睡眠時間、深睡眠時間、REM睡眠時間が減少、睡眠が断片化し、睡眠効率が低下する。中枢コリン系、セロトニン系、ノルアドレナリン系ニューロンの変性・脱落などによるPD病態としての睡眠-覚醒機構障害、PD症状に関連した二次障害、および薬剤などが夜間の睡眠障害を引き起こす。夜間の睡眠障害は、翌日の運動症状悪化、日中過眠の一因となる。エビデンスは乏しいが、対処法は以下の通り。
タイプ |
対処法 |
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夜間睡眠障害 |
入眠障害、概日リズム障害(昼夜逆転) |
催眠鎮静薬(ブロチゾラム0.25㎎、ゾピクロン7.5~10㎎、ゾルピデム5㎎)。 |
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頻回中途覚醒 早朝覚醒 |
PD病態 |
日中のリハビリテーション。 催眠鎮静薬(フルニトラゼパム1~2㎎)。薬効残存による過鎮静、脱力、日中過眠に注意する。 |
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無動・振戦 |
睡眠前のレボドパ、ドパミンアゴニストの追加。 |
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夜間頻尿 |
夕方以後の嗜好品・利尿薬の制限。頻尿治療薬。 |
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疼痛 |
睡眠前のレボドパ、ドパミンアゴニストの追加。 |
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REM睡眠行動異常症 |
クロナゼパム(0.5~1.5㎎)が有効(約90%)。メラトニン、プラミペキソールの有効性も報告されている。 |
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レストレスレッグス症候群(RLS)、 周期性四肢運動障害 |
クロナゼパム(1㎎)、ガバペンチン、カルバマゼピン、バルプロ酸等の抗痙攣薬。 睡眠前のレボドパ、ドパミンアゴニストの追加。 三環系抗うつ薬、セレギリン塩酸塩の減量、中止。 |
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睡眠時呼吸障害 |
パーキンソン病運動障害治療→CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法) |
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覚醒障害 |
日中過眠 |
日中のリハビリテーション。 ドパミンアゴニストの減量、中止。 |
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突発的睡眠 |
ドパミンアゴニストの減量、中止。 |