質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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ヒドラスチス根(Goldenseal)は、発がん性があるのか?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2016年9月 |
日本ではゴールデンシール(カナダヒドラスチス)の根茎は、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リストの1.植物由来物等」に分類される。2015年、国際がん研究機関(IARC)は、ヒドラスチス根を発がん物質のグループ2B(実験動物で十分なエビデンスがあり、ヒトでのエビデンスは不十分だが、発がんの可能性がある)に分類した。ヒドラスチス根の毒性成分はベルベリンアルカロイドであり、米国の国立毒性研究センターは、ヒドラスチス根の抽出液ならびに個々の成分の発がん作用、DNA損傷、遺伝子毒性の機序解明試験を行った(ラット、マウス)。その結果、発がんはDNA損傷によるものであり、その作用はベルベリンが最も強力で、次いでパルマチン、損傷の程度はベルベリン濃度と直接相関した。ただし、ヒトとラットにおいてベルベリンの吸収はわずかで、ほとんどは小腸で代謝される。