質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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妊娠高血圧症候群に使用される降圧薬は何か?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2012年8月 |
従来「妊娠中毒症」と称されていたが、2004年度から「妊娠高血圧症候群(PIH:Pregnancy Induced Hypertension)」と改変された。「妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧がみられる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発的合併症によるものではないもの」と定義される。病型分類では妊娠高血圧腎症、妊娠高血圧、加重型妊娠高血圧腎症、子癇の4分類に、症候による亜分類では重症、軽症の病型を高血圧と蛋白尿の程度によって分類する。「PIH管理ガイドライン2009」に基づき、軽症(血圧が収縮期140mmHg以上160mmHg未満、拡張期90mmHg以上110mmHg未満)では原則として降圧療法を控え、安静と食事療法で経過観察する。重症(血圧が収縮期160mmHg以上、拡張期110mmHg以上)では母体脳血管障害の防止と早期発症型の妊娠継続を図るために降圧療法を行うが、拡張期は90~100mmHgの範囲にとどめ、収縮期は155~160mmHgを超えないことを目標とし、過度な降圧にならないように注意する。
第1選択薬はヒドララジン(経口)、メチルドパで、効果不十分な場合は、第2選択薬として、ヒドララジン(静注)あるいは二カルジピン(持続静注、経口は禁忌)、もしくは長時間作用型ニフェジピン(妊娠20週以降に使用、20週未満は禁忌)、ラベタロールに変更するか、または第1選択薬にラベタロールあるいは長時間作用型ニフェジピン(妊娠20週以降に使用、20週未満は禁忌)を追加する。緊急な降圧が必要な場合は、第2選択薬から使用する。また、ACE阻害薬、ARBは使用しない。