質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
質疑・応答検索
相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。
※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。
加齢男性性腺機能低下症候群の治療薬は?(薬局)
疾病・治療法 |
|
年月 | 2017年2月 |
加齢に伴う血中テストステロンの低下と生活の質の低下、多臓器機能障害を呈するものを加齢男性性腺機能低下(LOH:late-onset hypogonadism)症候群と呼び、治療の第一選択は、ART(androgen replacement therapy:男性ホルモン補充療法)である。ARTは、症状および徴候がある40歳以上の男性で、血中遊離型テストステロン(FT)値が8.5pg/mL未満の場合を対象とする(8.5以上11.8pg/mL未満であっても低下傾向群としてARTを考慮する場合がある)。FT値が 11.8pg/mL以上の場合はARTは行わず、性機能症状が強い場合はPDE5阻害薬、心理症状が強い場合は抗うつ薬、抗不安薬を使用する。ARTとして以下の薬剤が推奨されている。いずれの方法も治療開始3ヶ月毎に評価を行う(日本泌尿器科学会・日本Men’s Health 医学会:LOH症候群診療の手引きより)。
薬剤(主な商品名) |
使用法等 |
---|---|
テストステロンエナント酸エステル |
1回125mgを2~3週ごとに、あるいは1回250mgを3~4週ごとに筋注。投与4~7日目頃に血中テストステロン値は最高値になる。 |
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG) |
1回3,000~5,000単位を週1~2回、あるいは2週間ごとに筋注。テストステロンエナント酸エステルより血中テストステロン値の変動が少ない。保険適応外使用。 |
経皮吸収型テストステロン軟膏 |
1回チューブの先から2cm程度(テストステロン3mg相当)を1日1~2回陰嚢皮膚に塗布。安定した血中テストステロン値が得られる。医師の管理下で使用。 |