質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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スタチン系薬の副作用にある免疫介在性壊死性ミオパチーとは?治療法は?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2017年5月 |
免疫介在性壊死性ミオパチー(IMNM)は、筋線維の壊死が顕著で炎症性細胞浸潤をほとんど認めない筋病理所見に基づく疾患概念である。臨床的には、四肢近位部優位の左右対称性の筋力低下と筋萎縮、血清クレアチンキナーゼ(CK)高値(4,000~13,000IU/L)が特徴的である。症状は、数週から数ヶ月の亜急性の経過で筋力が低下し、起立困難、歩行障害、上肢挙上困難等の症状が出現し、重症例では嚥下困難や呼吸障害等が起こる。自己抗体が原因と考えられており、診断マーカーの1つに抗HMGCR〔3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A (HMG-CoA)reductase〕抗体が見出されている。抗HMGCR抗体陽性のIMNM症例で、スタチン系薬(HMGCR阻害薬)誘発性が30~50%であるため、本抗体はスタチン系薬以外の機序でも産生されると考えられる。標準的な治療法はなく、スタチン系薬の使用を中止し、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬(メトトレキセート等)、免疫グロブリンの投与等を行う。