質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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エパルレスタットが食前投与になっている理由は?(薬局)
薬効・薬理、体内動態 |
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年月 | 2014年4月 |
エパルレスタット(キネダック等)は、グルコースをソルビトールへ変換するアルドース還元酵素を阻害して、ソルビトールの神経内細胞への蓄積を抑制することにより、糖尿病性末梢神経障害に伴うしびれ感、疼痛等を改善する。
臨床試験において、健常成人男子10例に50㎎を食前30分、食後30分に単回投与した時、食前投与に比べ、食後投与では、Tmaxの遅延(1.05時間→1.45時間)、Cmaxの低下(3,896ng/mL→2,714ng/mL)が認められた。血糖値と神経内ソルビトール含量は正相関があり、エパルレスタットは血糖値が高い時に阻害作用が強く発揮される。食前投与すると食事の摂取時には既にエパルレスタットが有効血中濃度(500ng/mL以上)に達し、血糖値の上昇時には有効血中濃度以上を維持しているが、食後投与では有効血中濃度に到達する前に既に血糖値が上昇してしまう。アルドース還元酵素阻害作用が十分に発揮されるためには、食前投与が必要である。