質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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嚥下障害者等に使用する服薬補助剤は、薬物動態等に影響するか?(薬局)
相互作用 |
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年月 | 2014年6月 |
服薬補助剤には、食品用とろみ調整剤や嚥下補助ゼリーがあるが、原料成分による溶出抑制や吸着による吸収抑制が懸念されている。
とろみ調整剤が薬物動態や薬物溶出に影響を及ぼした報告がある。
〔森田俊博ら:医療薬学 37(1),13,2011.より〕
〔アセトアミノフェンの薬物動態への影響〕
(調査項目)
とろみ調整剤4%水溶液および嚥下補助ゼリーにアセトアミノフェン散を混和して服用した時の血中濃度-時間曲線。
(結果)
薬物単独群と嚥下補助ゼリー群は同様であったが、とろみ調整剤4%水溶液群はTmaxの遅延が認められた。とろみ調整剤の高分子マトリクスに包合された薬物の溶出が抑制され、吸収部位である上部消化管での溶出が遅延したためと示唆される。ただし、AUCへの影響はいずれも大きくなかったことから、吸着による吸収阻害はないか無視できる程度である。
〔薬物溶出への影響〕
(調査項目)
とろみ調整剤2・4・6%水溶液および嚥下補助ゼリーと混和した時のアセトアミノフェン散、バルプロ酸ナトリウム細粒、カルバマゼピン細粒、テオフィリン徐放顆粒の溶出規格(日本薬局方外医薬品規格で規定されている規格溶出率への到達時間)。
(結果)
アセトアミノフェン散、バルプロ酸ナトリウム細粒、カルバマゼピン細粒は、薬物単独群と嚥下補助ゼリー群では同程度だったが、とろみ調整剤水溶液群では濃度に相関して規定時間を超過した。テオフィリン徐放顆粒は、他の薬剤と比べいずれも影響は小さかった。