質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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肺炎球菌ワクチンを5年以上前に接種したが、医師から再接種を勧められた。一生に1回しか接種できないのではないか?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2012年9月 |
23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックスNP)の予防効果は5年以上とされているが、接種により上昇した特異抗体濃度は時間の経過とともに低下し、高齢者、呼吸器や循環器に基礎疾患を有する人では低下しやすい傾向にある。抗体水準を維持するためには再接種が必要だが、再接種時は初回接種時に比べ局所副反応が多いとの報告から、過去にわが国で既接種者は「接種不適当者」とされ再接種は認められていなかった。しかし国内外での再接種の安全性に関する知見が集積され、2009年10月より「接種要注意者」となり再接種が可能となった。
「肺炎球菌ワクチン再接種に関するガイドライン」では、高齢者やハイリスク者における必要性の増加を勘案して再接種を推奨している。
(接種対象者)
初回接種から5年以上経過した、下記に示す肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険性が極めて高い者及び肺炎球菌特異抗体濃度が急激に低する可能性がある者。ただし、再接種時の年齢が10歳以下の②に該当する小児、またはネフローゼ症候群、腎不全、腎移植等の初回接種後に抗体が急速に減少する小児は、前回の接種から3年後に再接種を考慮することを推奨。
① 65歳以上の高齢者
② 機能的または解剖学的無脾症(鎌状赤血球症、脾摘出等)の患者
③ HIV感染症、白血病、悪性リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、全身性悪性腫瘍、慢性腎不全、またはネフローゼ症候群の患者、免疫抑制化学療法(副腎皮質ステロイドの長期全身投与を含む)を受けている患者、臓器移植または骨髄移植を受けたことのある患者
(保険給付の対象)
「2歳以上の脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」の目的で使用した場合のみだが、自治体により高齢者等では費用の一部の助成制度がある。