質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
質疑・応答検索
相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。
※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。
プロピオン酸血症とはどんな病気か?投与に注意が必要な薬はあるか?(薬局)
疾病・治療法 |
|
年月 | 2012年11月 |
プロピオン酸血症は、イソロイシン、バリン、スレオニン、メチオニン等の必須アミノ酸や奇数鎖脂肪酸、コレステロール等の中間代謝物プロピオニルCoAをメチルマロニルCoAに代謝する酵素のプロピオニルCoAカルボキシラーゼの欠損により発症する常染色体劣性遺伝性疾患である。ミトコンドリア内でプロピオン酸やプロピオニルCoAが大量に蓄積し、ピルビン酸代謝等の種々の代謝反応が障害され、ケトーシス、アシドーシス、低血糖、低アンモニア血症を起こし、重症例では新生児期に致死的となる。また蓄積したプロピオニルCoAはCAT(カルニチンアセチルトランスフェラーゼ)により遊離カルニチンと結合してプロピオニルカルニチンとなり尿中に排泄されるので、肝臓、心臓、骨格筋等の遊離カルニチンレベルが低下し、二次性カルニチン欠乏症となる。
ピボキシル基を有する抗菌薬やバルプロ酸ナトリウムの代謝にはカルニチンが必要なので、長期服用等では低カルニチン血症を起こすことがあり、注意が必要である。