質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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円形脱毛症の局所免疫療法とは何か?調製法は?(その他)
疾病・治療法 |
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年月 | 2014年11月 |
円形脱毛症(alopecia areata:AA)の発症機序の詳細は不明であるが、自己免疫疾患と言われており、毛包由来の何らかの自己抗原に対する細胞障害性T細胞による自己免疫反応の結果、アポトーシスが誘導され脱毛症状を引き起こすと推定される。局所免疫療法は、強力な接触アレルゲンであるSADBE(Squaric acid dibutylester、Dibutyl Squarate)やDPCP(2,3-diphenylcyclopropenone)のアセトン溶液を1~2週間に1回脱毛部に直接塗布し、人工的に接触皮膚炎を繰り返し誘発させ、病変部に浸潤するリンパ球の機能を抑制し発毛を促す(保険適応外使用)。難治な場合でもかなりの有効率を示すが、中止すると再び脱毛をきたすこともある。また、小児の全頭型や全身型には効果が低い傾向があり、成人より高濃度でないと反応しない場合が多い。また、掻把したところに外用すると強い刺激感がある。抗ヒスタミン薬を併用しても良い。
(調製法)
SADBE(試薬特級)またはDPCP(試薬特級)を秤量し、アセトン(試薬特級)を加えて全量とする。1%液を利用して必要濃度へ10倍単位で希釈。
(用法・用量)
1~2%アセトン希釈液を脱毛部位の一部に外用すると、約10日後に外用部位に紅斑が出現し感作が成立する。その後、0.0001%程度の低濃度で小範囲の外用から開始し、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%等と濃度を上げていく。1~2週間に1回外用し、軽度の掻痒感が2~3日続く濃度を最適濃度として、同濃度で外用を維持する。発毛が認められてからも3~4週間に1回外用を継続する。洗髪は外用の10~12時間後に行う。