質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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ランマーク(デノスマブ遺伝子組換え)の副作用で、顎骨壊死は起こるか?(医師)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2013年1月 |
ランマークは、RANKL(receptor activator for nuclear factor-κB ligand)を標的とするヒト型IgG2モノクローナル抗体製剤で、多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変に対し、4週に1回皮下投与する。RANKLは、破骨細胞および破骨細胞前駆細胞表面のRANKに結合する破骨細胞の形成、機能、生存に必須のメディエーターで、ランマークは、RANKLを特異的に阻害して、RANKの活性化を阻害することにより破骨細胞による骨吸収を抑制する。顎骨壊死(ONJ)発現の病態生理は不明だが、発現機序として骨代謝の抑制が考えられている。ランマークは、破骨細胞の形成、機能、生存を阻害することによって骨代謝を抑制するため、ONJの発現リスクが上昇する可能性があり、第Ⅲ相臨床試験で1.8%報告されている。ONJが発現した患者の多くは、抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現しており、顎骨以外の骨には壊死はみられないことから、口腔内常在細菌の関与も示唆されている。リスク因子は、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、頭頸部への放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等である。