質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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ヘリコバクター・ピロリ菌検査の尿素呼気試験法で、判定に影響を及ぼす薬剤は何か?(薬局)
検査値・検査方法 |
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年月 | 2013年4月 |
尿素呼気試験法(UBT:urea breath test)は、13C-尿素製剤を服用し、一定時間後の呼気を採取する検査法で、非侵襲的で簡便であり、感度・特異度がともに高い。ヘリコバクター・ピロリ菌(H・ピロリ菌)は、高いウレアーゼ(尿素分解酵素)活性を有し、胃内にH・ピロリ菌が存在する場合、そのウレアーゼ活性によって13C-尿素が二酸化炭素(13CO2)とアンモニアに分解され、呼気中に排泄されるため、服用前後の13CO2(13CO2/12CO2比)の変化量を測定することによりH・ピロリ菌の存在を検出する。下表の薬剤により、UBTの判定結果が偽陰性になる可能性がある。
除菌前および除菌後の感染診断の実施では、これらの薬剤を投与中止または終了後2週間以上経過している必要がある。H2受容体拮抗薬も胃酸分泌抑制により胃内pHが上昇するため、UBT値の偽陰性化の可能性があるが、明確なエビデンスはない。また、ウレアーゼ活性抑制作用を有する防御因子増強剤で、スクラルファート水和物、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、ポラプレジンクについては、UBT値の偽陰性化の可能性は極めて低い。
薬剤 |
UBT値の偽陰性化の理由 |
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PPI(プロトンポンプ阻害薬) |
H・ピロリ菌に対する静菌作用 |
アモキシシリン水和物、クラリスロマイ メトロニダゾール ビスマス製剤 |
H・ピロリ菌に対する静菌作用 |
エカベトナトリウム水和物 |
H・ピロリ菌のウレアーゼ活性抑制作用 |