質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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経腸栄養剤で下痢が起こるが、原因と対策は?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2013年5月 |
経腸栄養剤投与時には下痢を合併することが多い。下痢の原因と対策は下表のとおり。
原因 |
対策 |
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組成 高浸透圧(半消化態、消化態、成分栄養剤の順に浸透圧が高い)、脂質含有量が多いほど起こりやすい。また、乳糖やある種のタンパク質等による乳糖不耐症やアレルギーにより起こる。 |
既往歴や食物アレルギー等を考慮するとともに、対象疾患に合わせた経腸栄養剤を選択する。 |
不適切な投与速度 投与速度が速くなるほど起こりやすい。投与方法は①ボーラス法、②間歇法、③持続法があり、この順に投与速度が速くなる。 |
20~40mL/時から始め、12時間ごとに20mL/時ずつ徐々に速度を上げていく。 |
細菌汚染 開封・溶解状態で室温保存した場合、12時間以降は急速に細菌数が増殖する。 |
作り置きは厳禁で、開封・溶解後は8時間以内に使い切る。 |
投与時の不適切な温度管理 加温による栄養素の変性、喪失、失活、タンパク質の凝固・変性、ビタミン類の失活等。 |
市販の経腸栄養剤は室温保存であり、加温による変性・失活や細菌増殖の可能性があるので、加温せず室温で投与する。 |
宿主側の腸内細菌叢の変化 経腸栄養剤のみの栄養管理により腸内細菌叢が乱れる。また、無残渣の経腸栄養剤の長期施行により腸粘膜組織の廃用性萎縮が惹起される。 |
乳酸菌製剤の投与や可溶性食物繊維、オリゴ糖を補充する。 |