公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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歯周病の治療に抗菌薬を使うことはあるか?(一般)
疾病・治療法
年月 2021年2月 

歯周病はデンタルプラークが原因となって発症・進行する慢性炎症性疾患で、その予防・治療の基本はプラークコントロールである。歯周病の病態の一つである歯周組織の膿瘍は、病変が歯肉結合組織に限局した歯肉膿瘍と、深部の歯周組織に化膿性病変が波及した歯周膿瘍に分類される。歯肉膿瘍は、異物が原因の場合はその除去を行い、口腔清掃に注意し経過観察することで通常治癒する。一方、歯周膿瘍は病態に応じて、抗菌薬の歯周ポケット内投与や経口投与が行われる。歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン2020では、以下のように推奨している。

歯周膿瘍の病態 推奨される抗菌薬
局所に限局し、ドレナージによる排膿が困難な場合 2%ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏(ペリオクリン、ペリオフィール)の歯周ポケット内投与(強い推奨)。
急性期にあり、十分な排膿路が確保できない場合、あるいは広範な放散性の腫脹、強度の疼痛、発熱を有する場合 抗菌薬が全身投与された場合、膿瘍内の抗菌薬濃度が血中濃度と比較して低いこと等から、科学的根拠のあるデータは得られていないが、抗菌薬の経口投与を推奨する(弱い推奨)。歯性感染症の第1群(歯周組織炎)に該当する膿瘍形成症例では、日本感染症学会/日本化学療法学会 感染症治療ガイド2019において、切開等の消炎処置を行った後に以下の薬剤投与が推奨されている。効果判定の目安は3日とし、増悪の際は、外科的処置の追加や他剤へ変更する。
(第一選択薬)
・アモキシシリン:1回250mgを1日3~4回
ペニシリンアレルギーを有する場合
・クリンダマイシン:1回150mgを6時間毎
・アジスロマイシン:1回500mgを1日1回3日間または1回2gを1日1回1日間
・クラリスロマイシン:1回200mgを1日2回
(第一選択薬が奏功しない場合)
・シタフロキサシン:1回100mgを1日2回
・ファロペネム:1回150~200mgを1日3回

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