質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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耳鳴りに使用される漢方薬は何があるか?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2022年4月 |
耳は五臓の腎・肝と関係が深いとされ、老化に伴って腎の気が不足すると耳鳴りが生じる。また、ストレスなどが五臓の肝に影響し気が脳に上がると耳鳴りがする。その他、肩こり、気分の落ち込み、のぼせなど、水滞、瘀血、腎虚、肝の失調、気うつの病態が関与しており、それぞれの病態に応じて下記の方剤が選択される。
病態 | 方剤 |
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水滞 体液(内耳・内リンパ液)が偏在した状態 めまいや低音部の難聴を伴う場合 |
利水剤:五苓散、苓桂朮甘湯(動悸、頭痛がある)、半夏白朮天麻湯(胃腸虚弱が強い、頭重感)、真武湯(冷えが強い) |
瘀血 血液が停滞して起こる諸種の病的状態 |
桃核承気湯、通導散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散(冷え症) 内耳の聴覚細胞への血流動態改善を期待 |
腎虚 「腎」は内耳機能との関連が深い 「腎」の機能が衰えている状態。高齢者に多く、夜間頻尿がある |
牛車腎気丸、八味地黄丸(下半身の冷えがある) 六味丸(のぼせ、ほてりがある) |
肝の失調 「肝」は経絡的にも耳との関連が深い 「肝」の機能失調による自律神経系の過緊張や過亢進の状態 |
柴胡加竜骨牡蛎湯(神経質、不眠がある)、大柴胡湯(便秘、肩こりがある)、加味逍遥散、釣藤散(高血圧、頭痛がある)、抑肝散(神経過敏、不眠がある)、抑肝散加陳皮半夏 |
気うつ 耳鳴りにより抑うつに陥っている状態 |
香蘇散、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯(神経質、不眠がある)、大柴胡湯(便秘、肩こりがある) |