質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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緩和ケアにおけるステロイドの使用目的と投与法は?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2022年12月 |
緩和ケアにおいて、鎮痛薬の効果が乏しい疼痛や呼吸困難、悪心・嘔吐、倦怠感、食欲低下、腫瘍熱等による苦痛がある場合、ステロイドの投与を検討する。ステロイドは、腫瘍周辺の炎症や浮腫を減少することにより、腫瘍による圧迫や浸潤を緩和し、局所症状を改善する効果が期待できる。また、局所におけるサイトカインの産生を抑制し、がん悪液質症候群に伴う全身倦怠感や食欲不振を改善する。
(使用薬剤)浮腫の原因となるミネラルコルチコイド作用が少なく、作用時間が長いデキサメタゾン
やベタメタゾンが推奨される(表)。効果がない場合、または、せん妄などの強い副作用が出た場
合は、中止や減量を考慮する(3週間以上使用している場合は、原則、漸減しながら中止する)。
表 緩和ケアにおけるデキサメタゾン、ベタメタゾンの投与例
投与例 | |
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漸増法 |
1日0.5~2mgから開始し、開始後3~7日目に効果を判定する。 (効果がない場合) |
漸減法 | 1日4~8mgから開始し、開始後3~7日目に効果を判定する。 脊髄圧迫や呼吸困難などが急速に進行した場合は、初期投与量の多い漸減法を主に用いる。 (効果がある場合) ・ 効果を維持できる最小量まで漸減する。減量の際は、3~7日毎に1~2mg ずつ1日用量を漸減する。1日4mg程度を継続使用用量の上限の目安とする。 (効果がない場合) ・ 速やかに中止する。 |