質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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菊池病とはどんな病気か?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2023年3月 |
菊池病は、1972年に菊池らより報告された疾患で、組織球性壊死性リンパ節炎や亜急性壊死性リンパ節炎ともいわれる良性の炎症性リンパ節疾患である。10~30歳代のアジア人若年女性に多いとされ、発熱(30~50%)と有痛性の頸部リンパ節腫脹(56~98%)を主症状とする。丘疹性紅斑や滲出性紅斑等の皮疹(約10%)、白血球数減少(4,000/μL以下)(約50%)、LDHやCRPの上昇を認めることがある。前駆症状として、扁桃腫大を伴う上気道症状が出現する。それと相前後して、多くは片側側頸部の皮下リンパ節が小指頭大に腫大し、その大半に自発痛と触痛を伴う。確定診断はリンパ節生検による。
さまざまな病原体によって引き起こされる可能性があるが、原因は不明である。
菊池病は約4%に再発がみられるものの、発病後約3週間から1ヶ月の経過で自然に軽快することが多く予後は良好であるが、全身性エリテマトーデス(SLE)や成人Still病の発症や、甲状腺炎、自己免疫性肝炎等が併発する例もあるので注意を要する。
治療は特に必要ないが、症状が激しい場合は、発熱やリンパ節疼痛の対症療法にステロイドが著効を示すことが多い。抗生物質は無効である。
(処方例)
プレドニゾロン換算量15~30mg/日(約1~2mg/㎏/日)から始め、2週間後から減量する。