公益財団法人福岡県薬剤師会

文字サイズ 文字サイズを縮小する文字サイズを標準サイズにする文字サイズを拡大する

  • ホーム
  • 福岡県薬剤師会について
  • 県民の皆様へ
  • 薬剤師の皆様へ
  • 薬事情報センター
  • 会員専用ページ

質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。

経口メサラジン製剤のペンタサ、アサコール、リアルダの違いは?(一般)
疾病・治療法
年月 2023年5月 

メサラジン(別名:5-aminosalicylic acid、5-ASA)は、軽症~中等症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の基本治療薬で、活動期の症状(下痢や血便、腹痛等)を抑え、寛解に持ち込む寛解導入療法や、再燃を予防する寛解維持療法として広く用いられる。
5-ASA自体は、上部消化管で速やかに吸収されてしまうため、経口投与で5-ASAを大腸に効率的に到達させることを目的に、ペンタサ、アサコール、リアルダが開発された。

商品名

ペンタサ錠250mg・500mg
            顆粒94%

アサコール錠400mg リアルダ錠1200mg
剤形 錠剤(素錠)、顆粒剤 フィルムコーティング錠 フィルムコーティング錠
効能

効果
潰瘍性大腸炎(重傷を除く)
クローン病
潰瘍性大腸炎(重症を除く)
用法

用量

<潰瘍性大腸炎>
成人は1日1500mgを分3食後投与。年齢、症状により適宜増減。上限は1回2250mg。
(寛解期)
必要に応じて1日1回の投与可能。
(活動期)
1日4000mgを分2投与可能。(8週間を超えた投与の有効性は未確立)。
<クローン病>
成人は1日1500~3000mgを分3食後投与。年齢、症状により適宜増減。


成人は1日2400mgを分3食後投与。
(寛解期)
必要に応じて1日1回2400mgを食後投与可能。
(活動期)
1日3600mgを分3食後投与。(8週間を超えた投与の有効性は未確立)。

いずれも状態により適宜増減。

成人は1日1回2400mgを食後投与。
(活動期)
1日1回4800mgを食後投与。状態により適宜増減(投与開始8週間を目安とする)。

薬剤放出
機構
時間依存性

pH依存性

マルチマトリックス
特徴 5-ASAを腸溶性のエチルセルロースの多孔性被膜でコーティングすることで、小腸での5-ASAの消失を防ぎ、小腸から大腸まで広い範囲で放出される。このため、小腸に病変を有するクローン病にも適応がある。坐剤、注腸があり、炎症範囲や症状に応じて使い分けが可能。

5-ASAを高分子ポリマーでコーティングすることで、pH7以上となる回腸末端から大腸全域に5-ASAが放出される。

5-ASAを親水性基剤および親油性基剤からなるマトリックス中に分散させた素錠部に、pH応答性の高分子フィルムコーティングした製剤。胃や小腸付近での5-ASAの放出が抑制され、大腸に5-ASAを送達し、大腸全域へ持続的に放出する。

ページの先頭に戻る