質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療にマクロライド系抗菌薬を長期投与することはあるか?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2024年7月 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患で、呼吸機能検査で気流閉塞を示す。臨床的には徐々に進行する労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰を特徴とする。炎症病態には、好中球、マクロファージ、CD8+リンパ球、好酸球および気道上皮細胞、繊維芽細胞が中心的な役割を果たす。薬物療法の中心は、長時間作用性の抗コリン薬(LAMA)やβ2作用薬(LABA)などの気管支拡張薬であり、テオフィリンや喀痰調整薬などが併用される。COPDは呼吸器感染症などをきっかけに増悪し、QOLや呼吸機能を低下させ、生命予後を悪化させる。そのため、これらの長期管理薬を2剤以上使用しても増悪が頻回であれば、マクロライド系抗菌薬の少量長期療法を行うこともある(保険適用外使用)。クラリスロマイシンをCOPDやびまん性汎細気管支炎などの「好中球性炎症性気道疾患」に対して処方した場合は、審査上認められる。
マクロライド系抗菌薬のCOPD増悪抑制効果には、気道炎症や喀痰分泌の抑制、細菌原性抑制、抗ウイルスなどの作用の関与が報告されている。