質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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百日咳は大人でも罹患するか?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2015年4月 |
百日咳〔pertussis(whoopin cough)〕は、好気性のグラム陰性桿菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)の感染を原因とする急性の呼吸器感染症である。鼻咽頭や気道からの分泌物による飛沫感染、および接触感染により感染し、通常7~10日間程度の潜伏期間を経て発症する。特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)が特徴で、母親からの移行抗体が期待できないために乳児期早期から罹患する可能性があり、百日咳(P)ワクチンを含むDPT三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)の定期接種により予防できる。乳幼児を中心とした小児で流行する疾患とされてきたが、近年、20歳以上の成人例の報告数が増加している。成人の百日咳は咳が長期にわたって持続するが、乳幼児にみられる重篤な痙咳性の咳嗽を示すことは稀で、症状が典型的ではないために診断が見逃されやすく、感染源となって周囲へ感染が拡大することもある。治療薬はマクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)が第1選択である。通常、菌の排出は咳の開始から約3週間持続するが、早期に抗菌薬を投与すれば、服用開始から5日後には菌の分離はほぼ陰性となる。しかし、再排菌等を考慮し、2週間の投与が必要である。