質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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陥入爪(巻き爪)の治療にフェノールを使うことはあるか?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2016年11月 |
陥入爪の根治術として、楔状切除術が一般的だが、術後の疼痛や再発例が比較的多い問題がある。フェノール法は、フェノールの強力な組織変性作用を利用し、部分もしくは全抜爪の後、爪産生組織を焼灼し爪甲を廃絶することを目的とする方法である。フェノールは痛覚の神経終末に作用するといわれ、術後の疼痛が少ない。また、術後は開放創で、感染合併例にも施行でき、早期に入浴が可能である。しかし、フェノール焼灼で壊死組織を作るため、創が遷延治癒する場合がある。また術後創に形成される痂皮を入浴等で除去しドレナージ効果を維持する必要があるので患者指導が必要である。
(治療例)1%キシロカインで患趾基部に伝達麻酔を行い、止血後、陥入した爪甲を3~5mm幅で周囲より剥離し、剪刀にて爪根部まで切断した後、爪根部を残さないように部分抜爪する。88%液状フェノールを綿棒に浸し、抜爪により露出した爪母、爪床、側爪郭、後爪郭下面に圧抵し焼灼する(なるべく周囲皮膚に付着させない)。綿棒は5~6本用意し、30秒程で交換し計2~3分間の処置を行う。焼灼後、無水エタノール10mLで洗浄しフェノールを不活化する。止血帯を解除し抗生物質含有軟膏を塗布した後、ガーゼを当てる。