質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
質疑・応答検索
相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。
※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。
頸動脈狭窄の治療法は?(医師)
疾病・治療法 |
|
年月 | 2012年8月 |
頸動脈狭窄は心臓から脳に向かう頸動脈が動脈硬化を起こし狭窄した状態を指し、狭窄率が高くなるほど血栓を形成しやすくなり脳梗塞リスクが高くなる。頸動脈狭窄により脳血流が減少した場合、一過性脳虚血発作:TIA(言葉が出にくい、手足のしびれ、手足が動きにくい等の症状が24時間以内に回復)が起こり、TIAを何度も繰り返すと脳梗塞を発症する。症状がなく狭窄が軽度でも、禁煙、節酒、減塩等の生活習慣の改善と、高血圧、高脂血症、糖尿病等、動脈硬化の危険因子を治療する必要がある。脳梗塞予防のための治療は、抗血小板薬の内服による内科的治療(アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾール、チクロピジン等)と、頸動脈内膜剥離術(CEA)や頸動脈ステント留置術(CAS)の手術的治療があり、症状の有無と狭窄率および手術の危険性によって選択する。
症状の有無と狭窄率および手術の危険性 |
推奨される治療法 |
---|---|
無症状で狭窄率が60%未満 または症状があり狭窄率が50%未満 |
動脈硬化の危険因子の治療と抗血小板薬の内服 手術的治療は十分な科学的根拠はない |
無症状で狭窄率が60%以上 または症状があり狭窄率が50%以上 |
動脈硬化の危険因子の治療と抗血小板薬の内服に加え、頸動脈内膜剥離術(CEA) |
無症状で狭窄率が80%以上 または症状があり狭窄率が50%以上だが、手術の危険性が高い |
動脈硬化の危険因子の治療と抗血小板薬の内服に加え、頸動脈ステント留置術(CAS) |